「日本版三文オペラ」

 今日は同級生の息子さんが主役をするので、同窓会を招集し「親父・お袋応援団」で行く。
 兵庫県立芸術文化センターはなかなか良い感じ。一度だけ「日野原重明先生講演会」に来たことがある。お芝居は初めてだ。
 まず、席を確かめたら、ロビーに出て、お花や差し入れをチェック。親軍団からお花が届いている。私も金一封ぐらい持ってくればよかったなぁ。教え子の出番なら「楽屋見舞い」を持って行くのになあ。
 次にショップに行く。原作の開高健さんの「日本版三文オペラ」を買う。
 しっかり楽しんだので、幕が開くのを待つ。お客さんがいっぱいだ。老若男女、着飾って来ておられる。
 明かりが消えると、携帯電話が鳴って、主役の登場だ。
 面白かった。
 若いの、若くないの、入り乱れて、どたばた、わいわい、どこを見ればわからないぐらい、あっちもこっちも動いている。
 鉄を拾いに行くアッパチ集団のたくましさ。目がはなせない。
 でも、これは何?
 「ベガーズオペラ」を見たときは、さいごに劇作家が「これは違う!『貧乏人も金持ちも悪事を働く、でも、罰せられるのは貧乏人だけだ!」という、私のテーマはどうなったのだ?」と叫ぶ。こういうテーマが今日の「日本版三文オペラ」にはみつからない。
 ではオチは何? 「若者の自分探し」だったのだろうか?
 エネルギーには圧倒されたが、オチも欲しかったな。