二人でも集会?

 三人いればもちろん、集会。
 この前の小雨模様の中をやって来たのは、ヘルパーさん。二人で話す。
「この頃、虐待が問題になっているけど、お尻、パチン、ぐらいでも、やってはいけないかな?」と言う。それは、あかんでしょう? 介護職が、介護の中のおむつを取り替える場面で、お尻をパチンとやったら、それはあかんでしょう?
 子供を叱るときに、お尻をパチンはあるでしょう。「危ない」こと、「人に迷惑を与える」こと、を言ってきかせて、教えるのが、子供だから、パチンもあるかも知れない。
 介護は違う。教えるものではないし、たたいたらあかんでしょう?
 次の日に、会いに行った相手にも聞いてみた。ヘルパーさんと利用者さんのペアだ。
「あかんよ。ヘルパー研修でも、おむつをつけてみる実習があって、ズボンの上からつけているのに、ものすごい、恥ずかしい。誰でも、はずかしい。そんなとき、パチン、なんて、とんでもない」とヘルパーさんが言う。利用者は「立っている時に、ちょっとでも、触られたら、その拍子にこけそうになるねん。もう、ヒョウヒョロやねんから、触らんといてほしい」
 なるほど、尊厳ですね。それに、本当にこけたら、とか、怪我をしたら、と考えると、体罰はやってはいけない。子供じゃないんだから、罰、という考え方はできない。介護者が自分の感情で暴力をふるうのと区別がつかない。
 話はもどって、最初のヘルパーさんに「ブリコラージュ3月号」の「すべらない話」を見せると「笑える〜。吉本新喜劇の世界」と言う。「介護現場には、笑うゆとりもない。日々の業務をこなすだけ。ヘルパーステーションでは、スケジュールの調整と確認がせいいっぱい」と言う。それでは虐待に走る危険性があるような気がする。頭を切り替えて、「笑ってやってみよう〜」と、意識してごらん。