朝日新聞「大介護時代・家で暮らす(1)」

 昨日から新シリーズになり、第1回は西村早苗夫妻だった。
 「西宮市認知症の介護者の会・さくら会」で知り合って10年、早苗さんは72歳、真一さんは74歳になっておられる。
 タイトルは「23年目 先のことは考えない」、サブタイトルは「朝から晩まで介助『けなげになんて生きてられへん』」、小見出しは「私もいたわって」「仲間と息抜きも」「後悔したくない」
 今日はそれを読んだ人に聞かれた。
「あなたの仲間?『仲間と北海道を旅行した』と書いてあるよ」
 そうです。「さくら会」も「つどい場さくらちゃん」も一緒の、介護の先輩だ。
 それでも、この記事を読むと釈然としない。
 10年前と同じことを言っている。
「半年前、介護仲間への電話でつぶやいた。『私、死んでもええかな?』」。それが半年前の話?
「その日、夫が通うデイサービスの職員に苦情を言われた。気にいらないことがあると、大声を出されて困ると。これまで、いくつもの施設に受け入れを断られてきた。またか・・・。」
 10年前とおんなじだ。施設の介護の内容に10年間の進歩がない!
 ほんまに、西宮の施設が悪い!
 大きな声を出すには理由がある。丁寧に聞いて、適切に対応すれば、真一さんだってちゃんと理解し、にこにこする。介護の基本ができていない!
 この記事も中途半端であって「介護仲間」としか書いていない。
 全国組織には「認知症の人と家族の会」というものがあり、各都道府県に支部があり、各市にはそれとは関係なくても「介護者の会」があり、西宮にはNPO法人の「つどい場さくらちゃん」もあるのだ。
 介護者はそういう場で何をしていると思う?
「介護者のストレス発散」?NO!
「傷口のなめあい」?N O!
「先輩の知恵を借り、新しい情報を得て、勉強し、自分の介護に活かす。介護以外に自分の世界を持つことを知る。」
 そして今年のように「認知症の人と家族の会」は「良い介護を目指して」署名活動もする。 
 利用する施設と良い関係を結ぶ。その施設の対応に困ったときは、まずはケアマネさんに相談して、施設に改善をたのむ。
 そのうえで自分でも、交渉をして、改善を求める。
 こういう風にやってきたはずだ。成果もあったはずだ。それもきちんと報道してもらわないと、読んだ人が介護に希望を持てなくなり、「介護したくないな」「されたくないな」になってしまう。