「紫陽花の会」車椅子の話

 会員の紹介というのは、私の知人が2人のひとを連れてきた。 
 知人は「北海道車椅子の旅」に一緒に行ったヘルパーさんだ。
「私が車いすを押す初心者だったから、この方に『へたくそ〜!』言われながら、厳しい指導を受けたの。私の師匠やで」と紹介した。
「そんなこと、言った?あのときは面白かったわ〜。」とヘルパーさんが言う。
 私が説明する。
「定年後、これから二人で楽しもうと言う時に、おじいちゃんが倒れたの。
 おばあちゃん、ふだんは、おじいちゃんを車いすにのせて、畑に連れて行って、畑仕事をするんだよ。 そのおじいちゃんの車椅子を私が押してたわけ。
 おじいちゃんを立たせて、おばあちゃんは、おじいちゃんが座っていたお尻の下に敷いていたバスタオルで、おじいちゃんの顔をピュッと拭くの」と言うと、みんな、「えー!」
 ヘルパーさんが「おばあちゃんは朝ごはんの時、おじいちゃんをトイレに座らせて『おじいちゃんは30分かかるから、その間に私たち、朝ごはん食べよう』と言うの!」と言うと、みんな大笑い。
 紫陽花の会員のおじさまが「それぐらい、おおらかでいいんだよ!」とおっしゃる。「おおらか介護!」「そうそう」
 「車椅子を押すの、難しいの?」とメンバーがきく。「難しいよ」「歩道の横が水路だったら、歩道が傾いているときがあるよ。車椅子がそっちへ、ズーッと行きそうになる」「乗せてもらう人は怖いんだよ」
 私はこの旅で練習したから、その後は車いすの人を見つけたら押してあげたりできるようになった。