赤くなった。桃のような良い香り。
 今朝の「NHKあさイチ」に藤巻あつこさんが出ておられた。
 1999年に「NHKきょうの料理」と藤巻あつこさんの「梅干し・ウメ酒・うめ料理」(主婦と生活社)の本を買って梅干しを作り始めた。
 藤巻さんは「基本の梅干しを3年間漬け続けることは、梅干しの正体を知るためには、欠かせない条件になります」と書いておれれる。
 ここで私は思い違いをしていた。「10年続ける」と思っていた。
 その年のお天気によって梅が違うし、漬けてからもまた違う。「塩分も梅の重さの18%で、ずいぶん辛いが、減らすとかびが生えたりするので、できあがってから塩分を抜いて使う」と書かれていた。
 最初に着けた時、「明和句会」に入れてもらった時だったので
「手ざわりも香りもたのし梅を干す」
という句を作った。
 同級生の俳句の先生は「『たのし』と直接に言うのは避けよう」と言って添削してくださったが、あとで年度末に「明和句集」に載せてもらったのを見せると「そうだね。他の句も素人らしいから、梅の句もこのままでいいわ」とおっしゃった。「梅を干して、嬉しそうに裏返している姿が想像できる」のだそうだ。
 梅ジャム用に裏ごしする時も「わ、めんどくさ!」と人は言うけど、梅の命をいただくのだし、手がとてもきれいになる。梅のパワーもちゃんといただいているのだよ。
 すべては藤巻先生のおかげだった。
 藤巻さんは94歳になっておられた。取り囲む人が「先生、120歳まで頑張ってくださいね!」と言っていた。すごい〜ね〜。