みよちゃんからメールがきた

+みよ「たたかうおばあちゃん25号が届きました。あなたのこと、娘と認識しなくなったのね。しばらくお会いしてないから、信じられないな。私が知ってるおばあちゃんと、たたかうおばあちゃんに出てくるおばあちゃんの間のギャップに悩むわ。
 おばあちゃんを『あやつる』のも、大変ね。デイサービスやステイで『あやつり師』を替わってもらえるのは、ありがたいね」
+私「娘を忘れても、いっこうにかまわないのよ。ご飯を食べないといけない、ことを忘れると、困る。命にかかわる。
 それと、ばあちゃんを『あやつる』ことは、家族にはできても、他人にはできない。反対に、ぼけばあちゃんに、スタッフが『あやつられる』ことがあるのよ。今は『施設の利用者』と言って、『お客さま』なの。意に逆らわないから、ばあちゃんが『女王様』になり、スタッフを支配したりする。家に帰ってきても、これを引きずっていたら、元にもどすのに、また、手間もひまもかかるの。」
+みよ「認知症の人は、ご飯を食べたことを忘れ、『ご飯はまだか』と訊く人が多いみたいだけど、おばあちゃんは反対なんやね。食べすぎは困るけど、食べないのも、もっと困るね。
 『お客様』から『家族』の戻すのが大変なのか。預けても、あとがしんどいってこともあるのね。『さくら会』でストレス発散して、介護疲れしないように!」
+私「食べたことを忘れて、また『ご飯』というのは、ばあちゃんにもあったよ。今もあるわ。それより症状が進むと、食べてないことを忘れる。もっと進むと、食べること自体を忘れる。これが認知症だというのを、経験がない人には、わかりにくいと思います。私達は、『あらあら』とわりに冷静に見てるよ。
 『さくら会』は、行政や施設とたたかうための知恵袋。また、学びの場でもあるなあ」 
+みよ「19日の朝日新聞には、若年性アルツハイマーの人の記事がのっていたけど、身体的にも衰退していくのね。なんか、自分も大丈夫かな、って不安になる。そんなこと、言ってたら、生活できないね」
+私「認知症患者に接した経験のない人は、深刻に受け取るのね。
 若くてアルツハイマー病になる人は、わずかです。
 ほとんどは、うちのばあちゃんのように、順調に年を重ね、80歳を過ぎて、めでたくぼけてくるのだと思います。80歳をすぎて、ぼける人が半数ぐらいで、あとの半数はぼけないで行くようです。だから、ぼけは老化現象でしょう。誰にでも可能性はあるし、こわくはありません。『ありがとう』の言える性格になっておくだけでいいのよ」
+みよ「そうっか。あんまり考えすぎないようにし、何事にも感謝の気持ちを忘れないように心がけます。うちの母たちは、80歳を過ぎてもぼけないみたいなので、ありがたいです。」