安永道生講演会「生活支援型」の介護

 つまり「たのしいこと」をするのだ。
「居酒屋に行こう!」と言う。非番の職員もついてくる。「うん、うまい!」
「カラオケに行く」美瑛の町には、何もない。景色があるだけだ。カラオケも「回転すし」も、買物も旭川まで行く。「また行くんか!」と言われながら、外出の企画書を提出する。 
 安永さんは「僕等はどう頑張っても家族にはなれない」と言う。ごもっとも。家族が「ほの香」にやってくる。娘とばあちゃんは、顔を見ると怒っている。そこで、フタッフの出番「待ってたんですよ。ばあちゃんは昨日まで、娘さんが来るのを待ってたんですよ」と言いながら、家族を支える。それが本人を支えることになる。
 家庭に毎月の請求書を郵送するときには、スタッフがばあちゃん・じいちゃんの日々のくらしや思いを、そしてスタッフの思いも書いて入れる。
 介護スタッフとしての思い、今、目の前にいるお年寄り、この人とめぐりあえたのは、マヒになったから、認知症になったから。このめぐりあいを、チャンスを生かせ。
 介護する者と、される者との介護関係があって、介護にたいする価値観があって、介護能力が高められていく。関係がきちんととれていなかったり、価値観もなく、向き合うと、介護能力に大きな差が出てくる。
 つまり「こまったな」と思えるばあちゃんでも、じいちゃんでも「あの人にも、いいとこもあるんやないか」とか「強がっているけど、ほんとはつらいんやないか」と思えるようになると、介護の質も変わってくるのだそうだ。なかなか、奥が深いですなあ..
 安永さんの話を聞くのも、もう4回目、だいぶ慣れてきた。講演メモを前後して読んだり、自分の経験にてらしあわせたりして、書くのが楽しくなってきた。では、またね。