「幸せな動物園」

 旭川市旭山動物園監修 写真・若木信吾 スケッチ画・はまのゆか 
  2005年9月20日刊  (株)ブルース・インターアクションズ
 さくら会夏祭りの帰りに阪急電車構内の書店で買った。
 表紙は「泳ぐシロクマ」、去年見たとおりだ。
「どうすれば動物園に来た人に感動してもらえるか、それは、どうすれば動物たちが生き生きとしている様子を訪れた人の目の前で展示できるかということでした。動物たちがもともともっている能力や自然な動きを引きだせれば、きっと誰もが感動するはずだという確信があったからです。」
 ホッキョクグマ館は、飼育している人たちが感じている、クマの「得体の知れない怖さ」をわかってほしかったのだそうだ。
「泳ぐのが得意なホッキョクグマ、雪の中に暮らすホッキョクグマ、そして肉食獣としてのホッキョクグマを感じてもらう」のがテーマだという。
 ホッキョクグマは北の原野を獲物を探して移動するが、主食の中に、氷の下で暮らすアザラシもいて、息つぎのために氷の間から顔を出す瞬間を待ちかまえて襲う習性をもっている。ホッキョクグマ館の地上には、丸い穴があり、観客がその透明のドームから地上のくまを見るしかけがあるが、客は「アザラシの目線」でくまを見ていて、ドキッとするが、くまは時々やって来る人間を「えさ」として見ていて、獲物をねらう本能が満たされているのだ。
 他の施設についても、どういう目的で作られたかが、挿絵と写真入りで紹介されている。読めば「絶対見たい!」気分になる。頑張ってあちこち欲張って見てこよう。