飛行機は無事に離陸  5時45分

 非常口はジェット機の羽根の上だ。お天気がよくないせいか、外はあまり見えない。
 途中で、外がとても綺麗に見えた。黒い雲の上を飛んでいて、空が虹色に色分けされている。その上に三日月とはっきりと星が二つ。綺麗だった。右の窓際で、得をした。そのうち、雲が近づいて、ジェット機が中に突っ込むと、ガタンガタンとゆれる。ちょっとこわい。
 非常口は足元に荷物が置けないので、頭の上のトランクにリュックも入れてもらった。手元に何もない。時刻もわからない。あなたまかせ。それで、メモもない。みな、お疲れか、な?会話も思い出せない。となりが萱野さんだったので、ふだんと変わりないお話。
 ずいぶんたってから、外の光が見えだした。道路が光の帯になり、町の明かりが見えるが、まだまだ真っ暗が多いのは、山ばかりなのだろう。
 関空へ帰ってきた。8時25分だ。またまた、若いチームが車椅子の移動に来てくれた。ありがとうございました。皆様のおかげで、楽しい旅でした。
 「別れる前に写真とるよ」と言う声がする。「皆、行く時よりもいい表情になってるでしょ」とまるちゃんが言うが「ばあちゃんだけ、とっといて」と言ってるのは、世話してお疲れなんでしょ。「では、気をつけてお帰りください」でそれぞれに散っていく。
 まるちゃんに「さくらちゃんに泊めてね」と言うと「え?それ、何?」...忘れてる...「もともと、帰りが関空8時45分で、家に帰るバスが無いから泊めて、になってたやん」と言うと「あ、そうか」 もう〜、まるちゃんは、ひらめきは素早いが、言い終わると記憶にない。ともかく介護タクシーに乗り込んで、さくらちゃんまで帰り、西宮の人はそれぞれ家に帰り、香住の人たちも帰って行った。