「イノシシから田畑を守る おもしろ生態とかしこい防ぎ方」江口祐輔著 農山漁村文化協会 2003年) 

 このごろはいのししの研究も進んで、いろいろわかるようになった。
 いのししは意外に賢く、学習能力もサルなみに持っている。
「鼻でブザーを押すと、下の穴から乳ボーロが5粒出てくる」という装置を作って実験した結果、イノシシは偶然、ブザーに触れておやつをもらい喜んだのだろう。そのうち「押せばもらえる」ことを覚えた。次に「下から上へ、おやつの穴、ブザー、ガラス窓」というセットを左右に用意して、窓には違う色をつけたところ「上の窓の色を識別して、正しい色を選んでおやつを獲得する」ということができるようになったそうだ。すごい!
「サルは椅子に座れるし、手でブザーを押せるので、サルのほうがかしこそうに見えるだけだ。初めから椅子に座ることを求めない。手が使えなくても鼻でブザーを押せばよいというイノシシ用の装置を開発した」と書いてある。あはは。笑える。
 その上、偶然、4粒の乳ボーロしか入れなかったら、イノシシは「もうひとつぶ、あるはずだ」と言いたそうに、あちこち探したそうで、入れてやると食べて、安心して実験場から出て行った、というから、おもしろい。次に、わざと4粒入れてみると、またまた探し回ったそうだ。「イノシシは、5−4=1 がわかるらしい」と書いてあるので、笑ってしまう。こんな賢いイノシシに勝つには私達も勉強しなくては...