ばあちゃん二人、お食事サービスに

 今日は句会だ。
 バスに乗りに行くと、バス停には、ばあちゃんが二人いる。「あ、今日はお食事サービス?」と訊くと「そうよ」と言う。このばあちゃんたちは、うちのばあちゃんと同じ様な年齢だが、暮らし方がまったく違う。
 一人は「シルバーパス」という顔写真つきの定期券みたいなのを買って「どこまで乗っても、何回乗っても期限内有効やねんで」と言う。「そやから、お医者さんに行く時に便利やねん。ひと駅でも乗るねん」と言う。針治療だ、内科だ、眼科だ、と言って通院している。「お医者さんが仕事みたいや。あんたとこのおばあちゃんはええわ。元気やもん」と言う。「そのかわり、何でも忘れるよ」と言うと「忘れてしあわせや」ときた。「連れてる私はたまらんわ。昨日も、なすびを10個ぐらい取って、畝のはしに置いたまま帰ってるねんで。忘れるんやから、取らんとって」と言うと「昔、やってたから、体が覚えてるんや」と言う。「頭は忘れてるわ」と私もにくたらしいことを返す。
 もう一人は「年とってから、この地に引っ越して来たから、友達がいなかったけど、こうして、お食事サービスに行かせてもらって、友達ができたんよ。お食事もおいしいし、ね。お菓子も、おまんじゅうやら、ケーキやら、いつも手作りで、おいしいよ。ボランティアの人のおかげさんよ」と言う。よかったね。