葉ぼたん

 丹波篠山の黒豆の夫妻が来た。黒豆・青豆・大豆を持って来てくれた。
 ばあちゃんは「大きいなぁ」と言う。わかっているわけではない。「青豆より、黒豆が大きい」と言う意味らしいのだ。「うちの黒豆よりも、丹波の黒豆が大きい」と言ってほめてあげなければ、持って来たかいがない。
 ばあちゃんにもお菓子を渡すと「ほ〜、おおきに」と言っている。「お客さんにも『食べて』言うて勧めないと」と言うのだが、まるで聞こえない。
 「ばあちゃん、留守番、しとって。畑に行くから」と言うと、ついては来なかった。
 畑の土がこちこちに凍てていた。葉ぼたんを引こうにも、土にスコップが入らない。でも、さすが、男性は力もち、次々に引いて行った。聞けば、朝から雪の下の大根と人参を引いて、神祀りをしてきたのだそうだ。