つどい場さくらちゃん

 病院を出てから「つどい場さくらちゃん」に行った。小鳩さんがもう来ていた。となりに座っている人がパジャマを着ている。ん?な〜に?このメンバーは?なんか、今までのさくらちゃんと雰囲気が違う。
 小鳩さんが昨年12月に入院したとき、じつは、とみちゃんも入院・手術を受けていた。とみちゃんは一応、一人ぐらしなので、まるちゃんがつきそい、退院後はさくらちゃんに泊まっているのだ。まるちゃんは見舞いに行く度「病院で営業をしていた」と言われるほど、「さくらちゃんです。のぞきに来てください」と言いながら「ちらし」を配っていたらしい。おかげで、小鳩さんはじめ、入院中の人が外出するとき、ナースステーションで「行く先 さくらちゃん 目的 食事」と書き「行ってきま〜す」と言うと「行ってらっしゃ〜い」でオーケーだったそうだ。
 今、つどっている皆さんは「小鳩さんの病院友達よ。外出で来たよ」と言う人、「退院して、検査や通院のついでにお昼ご飯を食べに来た」と言う人だった。「病院の食事って、どうしてまずいのかしら?食べるしか楽しみがないのに『また食事〜?』とうんざりするぐらい、まずいのよ」と言う。「おいしい病院もあるよ」と私が言ってみたが、その病院は「まずい」のだそうだ。「『院長先生、一度、食べてみて』と言いたいわ」と言われる。すると院長先生は廊下を歩きながら「病院の食事はまずいに決まっている。おいしいものは家に帰ってから食べて」と言われたのだって。聞こえたのかな?でも、食事がまずい、食べない、となると、治療効果があがらないよ。
 病院の1階の掲示板には「患者さんの声」コーナーがある。「生協の白石さん」のような面白い回答はなかったが、一応「すみません。対処します」という返答だった。たとえば「中待合室は、カーテン1枚なので、診察を受けている人の声が聞こえます。プライバシーが守られません」に対して「すみません。さっそく、中待合室をなくしました」と書いてある。すごい!進歩やんか。廊下のソファが並んだ待合場所で待つと、ナースが「○時の診察をお待ちの方、診察券をお預かりします」と言ってくる。順番が来ると、マイクで呼ばれ、診察室に入る。中待合のベンチはあるが、検査の予約をした人にやり方を説明するときに使われるだけで、以前、他の病院で使われていたような、「次の人、待機」の使われ方がなくなっていた。進歩だよ。中待合の使い方によっては、プライバシーも何もないもんね。
 「患者さんの声」に投書したら、ええやんか。「おいしくして」って書いて。
 さて、お食事。「さくらちゃんのお食事はおいしい」「今日はたくさん、食べられた」「野菜、たっぷりでいいわ」と皆、ご満足。
 まるちゃんはじめ、ボランティアでさくらちゃんに詰めている人が4人もいて、あれこれ、世話をやいてくれる。ベアちゃんが言う。「老いた人も、病める人も、疲れた人も、ともに過ごす、一緒に暮らす、つどい道場だ」と。ほんわかとした、ぬくもりがいいのだろう。
 近くに頼りになる親戚がいない私は、ここで甘えるのだ〜。うふっ。