受診 

 朝から公立の病院に行く。「大きな病院には縁がないので、いやだな〜」と思っていたら、ベアちゃんの診察日と同じだ。これはラッキー、年下でもしっかり者の彼女に甘えることにしよう。探しに来てくれるかな?
 初診受付の前に申し込みを書く。その用紙の置いてある台のそばには、ピンクの揃いのエプロン姿のおくさま方が何人もいて、「どうしましたか?」と尋ねてくれる。案内ボランティアなのだ。「初診です」と言うと「この用紙に書いて、保険証と紹介状を出してください」と言われる。出すと、クリアファイルに入れてさっさと受付に持って行ってくださった。「そこまでしなくても、本人に言ってさせればいいのに」と思うけれど、親切なので何も言わずにやってもらうことになる。
 しばらく待つと、受付から呼ばれた。「保険証が古いです、期限が切れています」あ、しまった。せっかく昨夜、ケースに必要な物を入れたのに、期限を見なかった。それより、古い保険証を残しておいたのが間違いのもとだ。次回の受診時に提出することで、許してもらった。
 初診受付までに、30分ぐらいかかるそうだ。このときに、ベアちゃんが探しに来てくれた。心細さが消える。「おおげさ!」そうなの。病気のときに大騒ぎしないで、いつするの?10年に一度は大騒ぎするのさ。
 去年手術を受けた小鳩さんに会えた。退院後の検診に来ていた。
 さて、診察券とカルテを作ってもらえたので、2階の診察室の前に行く。大きなテレビ画面に「ただ今、診察中」と出て「1診 ○○先生 *番」と出る。番号は初診の人と再診の人の混じった受付番号だ。「診察の内容により、診察順が前後することがあります」と出る。予約で来ているベアちゃんでも時間通りには呼ばれない。終わってから聞くと「予約時刻より1時間も遅れてやっと呼ばれた」と言っていた。
 私は初診担当の先生に呼ばれた。若い女医さんで、感じがよいひとだった。問診をしたあと、ベッドに横になって、おなかに聴診器をあて、そのあと、触診をした。
 「検査はバリウムで腸を透視する方法と、内視鏡があります。どちらにも、良い点と欠点があります。透視ですると、異常があったときに内視鏡で再検査しなければなりません。内視鏡ですると、すぐにわかりますが、腹部の手術を受けた人の場合、癒着があれば痛いかも知れません。」「癒着があるかないかは、わかりますか?」「やってみなければわかりません」「麻酔でするのではないのですか?」「麻酔はしません」う〜ん、でも、早く知りたい。「内視鏡でお願いします」と言って検査の予約をしてもらった。
 今までの市民検診の記録表を持って行っていたので、コピーをされた。おかげで血液検査を改めてする必要はなさそうだった。ただ「器具の洗浄のために、感染症の検査をさせてください」と言われ、血液検査を受けた。2階はこれで終わった。
 1階の会計受付にファイルを出し、会計を待つ。終わると、薬の受け取りカードをもらった。薬はもうできていた。検査のための下剤と腸管の洗浄剤だ。