検査

 検査の予約は3時だったので、夫に送ってもらって行った。この前と違う場所で車からおろされたので、歩いていたら、後ろからベアちゃんが来た。今日も同じ受診日で心強い。
 2時半に検査室に行った。早速、検査着に着替えて「こちらへどうぞ」硬い台の上に乗り、横になる。
 検査の先生はまだ若く見える男の先生だった。問診表を読んでおられた。私の方を向いて、名のってくれたらもっとずっと安心できるのにな、と思う。お医者さんのうちの何割かは、コミュニケーションが下手だよ。
 内視鏡を入れるときは、別に痛くなかった。ことろが、入れて行くにつれ、痛くて痛くてたまらない。小さな声で「痛い、痛い」と言うと「ごめんね。ちょっと我慢してね」と言われる。それでも「痛い、痛い」と言っていると「何か、手術をしたの?」と訊かれた。「子宮筋腫で子宮の摘出をしました」と言うと「それで、癒着したんだね」と言われた。やっぱり癒着していたのか。
 とおる時が痛いのだ。途中で「上を向いてみましょう」と言われて、看護師さんが体を横向けてくださった。そして、おなかを手でおさえていてくれたので、痛みがましだった。看護師さんがついていてくれると、まったく違う。安心感があるせいか、痛みも少ない。
 お産のときは看護婦さんが一人つきっきりで、先生と助産婦さんが交代で診に来てくださった。こうすると事故がなく出産できるのだ。検査もこれぐらい親切にしてほしいな。何かあったときに、看護師さんがそばにいると、すぐに対処できるやんか。それとも、この検査は「たいしたことない」のかな。
 先生は上手だと思った。やりながら「これから、ちょっと圧迫感があるけど、すぐだからね」とか「ちょっと痛いけど、いつまでも続かないからね」とか、それでも弱弱しく「いた〜い」と言うと「ごめん、ごめん、もうちょっとだから」とか言ってくださる。謝ってくださる必要はないけど、「もうちょっとだから」と言われると、ほっとする。「痛みが永遠に続くことはないから」と言われると、我慢、我慢、と思う。申し訳ない、痛がりでごめん。こんなにコミュニケーションが上手なのだから、初対面の挨拶があれば言う事なしだよ。
 「おなたは腸が長い」と言われた。どうすればいいの?
 痛みが消えて、ふと右を見ると画面があった。腸管が写っている。綺麗だった。先生も「大丈夫、異常ありませんよ、問題ありません」と言ってくださって、よかった〜。大騒ぎして申し訳ありません。終わってから「先生、癒着ってどういうふうになっているんですか?」と訊いてみると「大腸と外がくっついて、通るときに腸が引っ張られるのです」と言われた。前におなかを手術した人は、こんな検査をしてはいけないと思った。もうやらないですむように気をつけて暮らそう。