別れる前の「一言」

 前回のデイサービスの時のこと。ばあちゃんは帰ってきて、普段着に着替えているのに、また外に出て門のところで「迎えに来てやろ?」と言いながら立っている。「なんで?」と訊くと「『待っとけ』言うたった」と言う。
 はは〜ん。デイの送迎車から降りるときに「今度、いつ?」「来週ですよ」「来週?」「そうですよ」「迎えに来てくれてのん?」「迎えに来ますよ。待っててくださいね」この最後の一言「待って!」だけを記憶したのだ。
 そこで今朝は連絡帳に書いた。「最後の一言は『来週』にしてみてください」
 今日も車から賑やかに降りる。「来週やな」「はい、来週ですよ」バッチリだ。
 ばあちゃんは「来週、また行くねん」と言いながら、家に入り、私が渡す普段着に着替える。ところが、また玄関に立っている。「ばあちゃん、何、待ってるの?」「迎えに来てや」「ばあちゃん、今日はななくさに行って、今、帰ったばっかりや。迎えに来ないよ。ばあちゃん、『来週や』て言うたやん」と言うと..なんと、納得した。大成功!