椎茸

 布団がずれたのでなおしていると、毛布の上から椎茸の切れ端が出てきた。傘の八等分ぐらいか?生だぜ。冷蔵庫の野菜室を見ると、椎茸を入れたビニール小袋がべたべただ。ジャムをなめた手で触ったということだ。ばあちゃんに筆談する。「椎茸の生も食うの?」「おいしいんでしょ」ときた。美味しいわけないだろ、生だぜ。
 こうして「動き回る認知症」が一番大変だ。本人ではなく、世話するほうが大変なのだ。