夜中の仕事

 ばあちゃんの部屋に明かりがついている。しばらくして、ばあちゃんは台所に来て、戸をガチャガチャしたが、開かないのでトイレに行った。戸のガラスに映るばあちゃんの服の色が黒かった。パジャマの上に何か、重ねているのだ。トイレから出たばあちゃんを追いかけた。やっぱり、部屋にはばあちゃんのパジャマズボンとパンツが干してある。おしっこが出たので、脱いで、干して、着替えを探したわけだ。着ているのは、上が裏毛の上っ張りで、下はパンツ・毛糸のパンツ・冬のキルティングズボンだ。押入れの衣装ケースを開けたらこれが出てくるわね。夏物は私が管理しているからね。ポケットには毛糸の手袋と帽子をつっこんでいる。何でも持っていたいんだね。持っていないと不安なんだろう。
 押入れの柳行李には、帽子・毛糸のパンツ・セーター、まあ、いろいろ出したもんだ。ばあちゃんの「夜中の仕事」のおかげで「夜中の片付け」までやってもらうはめになった。