つどい場さくらちゃんツァー

 やってきた。マイクロバスで18人。前々から「リフレッシュひろばみどりちゃんに行ってみたい」と言っていた人がいたので誘ってあげたら、一緒に乗ってきた。一人は「俳句の絵本」の小島のぶ江さんで、おりるなり、カメラを構え、季節はずれの朝顔だの、池の「巨大くわい」だの、写しておられた。これを見ながら俳句を作られるのだろうな。さくらちゃんのメンバーとわいの、わいの言っていたら、俳句なんて作れない。俳句を作るリズムは日常会話のリズムとは違うのだ。一人静かに夢想しないと書けない。さくらちゃんが「がさつだ」とは言っていないよ、念のため。
 もう一人はストレッチ体操の宮口公子先生で、直前まで「シアトル老人介護施設見学ツァー」に行っておられたそうだ。北海道の旅にいつも一緒に行くと「阪急バスのシルバーパスで乗り放題だから、宝塚からバスで行く」と言うのに、結局、途中でさくらちゃんマイクロバスに拾ってもらったらしい。先生はいきなりかっぽう着を出して「野良スタイル」になり、野菜を見てまわっておられた。何ともこの二人、ユニークでございましょ。
 次は初参加の「針治療」の先生。毎週つどい場さくらちゃんに出張針治療に来てくださっている。例のしずかちゃんが「イケメンの先生」としてくっついていたお方だ。あはは。私が「先生、無料で相談にのってください。左の手をあげて、後ろにやろうとすると、肩のつけ根が痛いです」と言うと、先生はいきなり針を出して「どこですか?」と言われる。わぉ〜。針をやって、と言っているのではないんだって。相談、って言ったやんか。私が「同じ姿勢してるからかな?体操でも、やらんとあかん?」と言うと「やった方がいいでしょうね」と言いながら、どこかに針をさしたか、どうか、ちっともわからん。だって痛くはないんだから。私が「弟の嫁さんが『同じ姿勢をしたら、それと同じ時間、反対に曲げなさい』と言うのよ。そんなことしたら、下を向いて8時間、上を向いて8時間、寝る暇が無い」と言うと、まるちゃんが「すももの、その口をふさぐほうが先や」と言う。小島さんがおもしろそうな顔をなさるので「妹は秋田実さんの姪ですから、勝てません」と言うと「それはすごいわ」ですって。
 さて、お仕事に移る、「宝探し」の菊菜を先に引く。谷に生えているのを踏んでしまいそうだから。元気な若者、何人かが谷に入って行く。次に白菜を物色していたあけみさんが、端っこの方で抜いている。「そんなの、とったらあかん。小さいやろ。こっちの方に大きいのがあるんよ。全部を見て、触ってみて、固いのを取らんとあかん。触るだけやで。ゆすったら、根っこが傷む」と言わなあかんし「こら〜、畝を越えるな。白菜をまたいだら、あかん」と言わなあかんし、まったく、もう〜。あ、しろうと、か?そんでもなぁ。
 まるちゃんが「これで、すももの大声の秘密、わかったでしょ。畑の端まで届けな、あかん」端まで走って行く前に、声で動作を止めないとあかんもん、ね。こんなときのまるちゃんは動かない。北海道の旅の時と同じだ。畝にも入らないし、通路に立ったまま、人の動きを見ながら、誰かと話をしている。不思議な人だ。率先して野菜を取りに入るでもないし、初心者に手を取って教えるでもない。つどい場さくらちゃんで使う分は誰かに取らせているのだろうか?
 そうこうするうち「大根の間引きだ」「白菜だ」と言って取ってきたので、白菜の根っこを切ってあげたり「大根の枯れた葉は捨てて帰り。ごみが減るよ」と言ってあげたり...北海道の旅の伊代さんが来ていて「うちも家庭菜園を借りているけど、遠いから、草引きも息子の車で行く」と言いながら「丸大根の根の先を切って。袋に入れやすい」と言う。さすが、こんな注文する人は他にはいない。
 一人で「大根間引きの手伝い、してきた」とどっと持ってくる人。「一人1本、と書いてたでしょ」と言うと「あら、手伝いせなあかん、思って」一人でやってしまったのでは他の人の出る幕がない。「柿は無いの?」と訊く人。「見渡してごらん。無いでしょ」と私。「コスモス、もらっていい?」と訊く人。「皆、これから有馬温泉に行くんでしょ。家に帰るの、夜でしょ。コスモスがかわいそうやんか」と私。「そうか」「そうやで。菊なら持つから菊をあげるわ。そこに新聞紙と紐とはさみを用意したから、取ってきたら」と言うと、どこを見ているのか、紐の袋が探せない。...もう、疲れる〜...
 今回は男性の参加が多くて、初対面の人もいた。大根2本持って「一人暮らしだから、大根おろしにする。煮物は作れないから、丸大根はいらない」と言われる。はっきりしていて助かる。女性のひとも初対面なら名乗ってよ。「どこそこから来た○○」と名乗ってくれても、覚えられないけど、まるちゃんとのつながりがわかるとほっとするんだよ、ね。わからんと、どこまで「こら〜っ」と言えるか、わからんもん。緊急の場合はどなるけど、な。名乗らず、顔知らず、なら、よその「観光農園」に行ってよ。