再現ドラマ 「かんちゃん」つっこみを入れながらの観戦記(録音・録画せずメモだけなので、間違いあれば教えて)

 これは高畑冨美子さんがお母さんを介護した実話だそうで、小説の作者は相良敦子さん、出演はお母さん(おばあちゃん)が馬渕晴子さん、娘のきみこさんが原日出子さん。
 おばあちゃんが娘一家と同居すべく引越してくる。このときから、もうすでにかなりおかしくなっている。夕食のとき、皆で食卓を囲むと、おばあちゃんは立って挨拶をする。「本日は何ですか、私のために...」腰かけると隣の孫のおかずを取って食べる。「僕のだよ」と言う孫。たしなめる孫娘に「この子、どうしてまだここにいるの?嫌いだって言ったでしょ」と怒り出す。「どうしたの?孫のれいこでしょ」ときみこさんが言ってもだめ。その孫を認知しないし、拒否する。すごい変わり身だ。孫のショックは計り知れない。おばあちゃんは自分の意見が入れられないのはわかったのだ。だから突然、孫を忘れた。すったもんだ...離れていた親を引き取るんだもの、何でもあるさ。それから、ばあちゃんは平然として「そろそろ食べていいかしら?」と言う。これはもう、おばあちゃんと一緒に食べなくてもいいと私は思う。「一家団欒、楽しく食べるのが良い介護」なんて呪縛にとらわれないほうがいいよ。「一緒に食うな!」
 おばあちゃんが外で掃除をしたり、皿洗いを手伝う。
 夫が「想像以上だな。やっていけるか?施設に預けたら」と言うし、孫は「うちでだけみる必要はないんじゃないの?」と他の兄弟にもみてもらえと言う。ごもっとも。
 さて、おばあちゃんは荷物を持って帽子を二つ重ねてかぶり「お世話になりました」と出て行こうとする。「どこ、行くの?」と訊くと「水戸へ帰ります。父さん、母さんが心配しているから」と言う。「何言ってるの?水戸にはおじいちゃんの墓しかないよ。誰もいないよ」と言うと「どうして?私、母さんに捨てられたの?」と言う。あらま、とんだことに気がまわるのね。きみこさんは「しっかりしてよ、母さん」と言う。ようわからんがおばあちゃんは「この鬼!」なんて言っているかと思うと「ここで泊まって」になったらしく、きみこさんと二人、ほほ寄せて手を握りあって寝ようとしている。きみこさんはお母さんを受け入れているらしい。
 次はまた、おばあちゃんは服を着こんで「きみこ〜」と呼んでいる。夫は「外へ連れ出してくれ。あの声はたまらないよ」と言う。これこれ、自分の親を連れていると、連れ合いともめたりする。その点、うちは夫も私もばあちゃんの養子、かえって冷静に見ている分、摩擦は無い。あはは〜。
 散歩に出ると、おばあちゃんは「死にたい」と言う。「春になると花が咲くよ」と慰めてもだめ。近所の人に会うと「大変お世話になりました。もうお会いすることはないと思います」などと言うので、言われた人も気配を察して「お大事に」と言って去って行く。どんどん歩く。「ちょっと奥さん、痛いですよ。もっとゆっくり歩いてください」なんて、うちのばあちゃんと同じことを言う。池の前に立ち尽くす二人「死にたい」って、何?うつ傾向なん?