座標軸 「食事ケアのまとめ」

 休憩後、画面を見る。「座位」の重要性。座位がくずれてくると、職員は私をつかまえ「やってるんですけど、うまくいかないんですよ」なおした。できた。でも、何ヶ月かたって、また座位がくずれてくる。フルリクライニングというのは、誰にも合うように作っているので、実は誰にでも合わない。合うように付属品を作らないといけない。それはクッションとか、そういう物でいい。
 切り口はどこでもいい。「この人のために自分は何ができるか」
 「なぜ食べないか?」何が原因か、を見る座標軸を持っていないといけない。
 星野富弘さんが言っておられた。「障害は不便だけれどもつらくはない。つらいのは自分の思うようにならないこと。次に○○が食べたいと思っているのに違う物が来る。次は○○と言わないと入ってこないつらさ」この痛みがわかりますか?「感じる心」がケアなんだよ。
 トメさんの嚥下造影。トメさんはいつも口をパクパクさせているが、食べ物を入れると口を閉じる。また食事が終わってから「口腔ケア」でガーゼを緑茶にひたし、口の中を拭くと、トメさんはそのガーゼを吸う。これができるから口から食べさせてもいい。胃ろうしていたのだが、口からも食べるようになると息子さんが泣いて「じつは悩んでいた。お袋にここまでやってくれるのがありがたい」と言われた。生きたこと、亡くなっていったことを共有できるのが、ケアのいいところ。仕事に重み・やりがいがある。
 「たそがれ症候群」「帰る、帰る」と言う人に「なんで?」と訊くと「ご飯のしたく、せにゃいけん」そこで、お米をといでもらうと「帰る」と言わなくなる。それでご飯を炊いて食べる。「ほの香」では「おひつ」に入れてご飯を出す。「おひつ」のご飯と「お鍋」のおかゆを同時に出すと、自分でお茶碗にご飯とおかゆを入れ、すきな固さにして食べられる。すごい!保健所が見に来る。「厨房でないところでご飯を炊いたらいけない」「普段はしてません!」
 ついでに「ステーション」に(ナースステーション?ヘルパーステーション?ほんとはどう言うの?まぁ、ええか、そういうもん)ベッドを置くと「目的外使用」だと言う「行政」の人。「部屋に置いて」と言うが、それでは落ち着かないからここに来ている。「おまえら、やってみな」と言いたい。(そうだ、そうだ)
 まとめ「口腔ケアの重要性を確認する」
 「腹臥位療法の生活場麺への応用活用」腹臥位というのは、うつむきでこれをすると「痰」が出る。「唾液」が出る。端座位で腹臥位療法ができる。腰かけたまま、低いテーブルにクッションを置き、手をテーブルに上げてうつぶせになる。自分の体重がかかり、胸を圧迫し、呼吸機能があがる。介護者はその人の背中を両手で優しくタッピング。下から上へ、優しく。両手でするのがこつで、リズムがとれて、やさしくできる。1日1回、すぐにできる。これは排泄にも有効で、効果は早ければ2〜3ヶ月、遅くても数ヶ月でみえる。
 唾液の話。「ブリコラージュ」に連載している岡崎Dr.の話。「唾液は1日に何リットル出るか?」正常な人で1.5ℓ出る。唾液の出るところは耳下腺・舌下腺・顎下腺。口を開ける、あっかんばー、にらめっこ、ほっぺたひっぱる、マッサージ、しっかりやって唾液を出そう。 
 危ない話。「何か食べると水を1杯」という人へ。それはあかん。唾液の免疫効果が減る。せっかく殺菌効果があるのに、水で薄くなってしまう。食中毒が増える。食事をしっかり噛む。途中で水を飲まない。
 「牛乳はむせない」と言う人。これは牛乳を一口入れて、噛んでいるから。
 「水はむせるがお茶はむせない」と言う人。これは嘘。お茶もむせる。とにかく「みずもの」は怖い。集中力を高めてケアする。
 「水はだめだが、とろみはいやだ」と言う人をどうするか?考えてみよう。「姿勢の保持」「ゼリーにしている」「氷にする」「氷は角をとる」(なんとこまかい)「一口の量を少なくする」(これ、かやのさんが言った?)かやのさんは右マヒの後遺症があるので、左手でレザークラフトをして長い時間をかけて作品を完成させる。個展をし、注文の品を仕上げ、作家としてやっておられる。こういう人が西宮にはおられるんですよ。(そして講演会に来て、夜は安永さんと望年会をして、「つどい場さくらちゃん北海道車椅子の旅」にも行く。これがすごいところ byすもも)
 「さ、他には?」で若い男性が「点滴」(え「天敵」?それはないやろ?どうやって飲ませようかという話やのに、点滴したらあかん。安永さん、少しも驚かず)「吸い飲み」(あ〜、思いついたんや。言えばよかった〜。悔しい)「これも口角に入れる。出過ぎないようにふたにある穴を指でふさぎながら調整して」次に「ストロー」(これも思いついた)ストローは長い。短くすれば吸える。この人専用の長さにする。この人専用のストローつきカップにする。あのね、ストローでビール飲むと、酔っ払うよ。(あはは)