「買い物帳」

 今日、出会ったお姑さんとお嫁さんの話。
 お姑さんは「買い物帳」と表紙に書かれた大学ノートを見せてくれた。
「今日はお弁当が届きます。500円」「雨が降りそうだから、家にいて下さいね」とお嫁さんのメモがある。
 下には自分で買った物の名と値段がある。
 その下には表があり横段は「薬」「熱」「血圧」のらん、縦に「朝」「昼」「夜」のマスがあり、薬を飲んだら「まる」をつけるようになっている。熱も血圧も自分で測って書き込んである。
 これはすごい!お嫁さんが作って二人で書いているのだろうが、うまく考えた。昼は勤務があるので家にいられないから考えたのね。
 私が「お弁当が届くの?」と訊くと「そうよ」と言われ「ママが優しいから、なんにも考えなくてもいいから、ぼけたんかな?」と言う。「いいよ。安心して甘えたらいいよ」と私も言ってあげた。お嫁さんはほほえんでいる。
 私だったら、ばあちゃんに「あかんやんか」と言うところだが、こうして留守中のこころのよりどころ、上手に作っている。それも「買い物帳」とつけたところが、お姑さんのプライドを傷つけず、ええなあと感心した。