宴会

 懇親会があるのは常識だが、公に言ってないから、今日はとても少なくて、ごく「うちわ」であった。
 うちの新人ケアマネちゃんが講演会も宴会も来てくれた。「つどい場さくらちゃん」てどんな所か、興味があったのだと言う。テーブルセッティングを手伝っていた。
 私?「会費は○○円です」と集める「関所係り」あはは。楽だが、人の顔と名前を覚えないとできない役である。もちろん知らない人には「どちら様ですか?」と尋ねるのだが、何度目かであって顔はわかるが名前を忘れたら「ごめん!忘れた!忘れんぼうでごめん」ですむし、今日は「覚えてくれたんだ!」と喜んでくれた。
 安永さんの隣に座った。私には「そろそろ、訴えるスタンス、変えろよ。『たたかうおばあちゃん』で、ずっと、闘ってきたんだろうけど、そのままで行くと、初対面の人は、びっくりして引くよ。『私はこう思うんだけど、どうでしょうか〜?そう思いませんか〜?』と穏やか〜に、行きなよ」とぼろくそである。う〜ん、昔よりはしずか〜に、行ってるよ。私の基準が、周りと違うんだろうね。相手が役所とか、上に立ってものを言う立場だったら「なめるなよ」と身構えていくなぁ。最初は、ガン!と行く。
 でもな、若い人とか、介護者とか、そういうときはやさしくいくよ。ま、長いことつきあうと、ちゃんとわかってくれるから気にしないでいこう。
 気のおけないメンバーとなると、かなり言いたいこと、あふれてくる。「初めてメンバー」が、そろって若くて美人なので安永さんはご機嫌である。講演でも「うおっ!」と思うと熱が入るそうだ。この宴会の場ではその彼女達に向かって「目が点!になってるんじゃないの?」とか、言っている。そうかも?びっくりしたかも?でも、もう私や、まるちゃんに会って免疫はできただろうよ。
 
 安永さんが「私は西宮に来て鍛えられた」と言う。「安永さん、美瑛の『ほの香』がいいのは、よ〜くわかった。でも、西宮は違うのよ。西宮をどうしてくれるのよ」と攻めるんだものね。「ショートステイの利用者の条件。暴力はお断り。薬でコントロールできる。集団生活になじめる人」こんなこと言ってくる施設を相手にどう戦えばいいか、教えて、とせまるんだものね。介護職の人の中には一生懸命やってくれる人があるし、給料が安いのに頑張ってくれていることも評価する。だから、その人たちとどう手を組めばいいのか、教えて、とせまるんだものね。真剣勝負。
 「ほんものの介護職・指導者」の講演を聞けて、私たちも勉強したから、何が求めているものか、わかったからね。
 
 安永さんが私に「今日の話はどうだった?『たたかうおばあちゃん』の講演記録を読むと、すももは自分が気にいったとこしか書かない。書いているようで軽重の差がある。だから『あ〜、今回はここが、すももに響いたんだな』と思う。次は届かなかった点を攻める」と言う。あはは。それはすてき。「前回は質問しなかったよね。拍子抜けしたんだ」と言う。「あのときは、排泄の話を聞いても、自分では苦手の分野だし、おまけにばあちゃんがどんどん悪くなってきて、お手上げだったもん、質問のしようがない」と言うと「こうしてケアしてきたのに、どんどん悪くなった。どうしてですか?と訊けばよかったんだよ」と言う。そうなのか?なんて今ごろ、教えてもらっても、なぁ、手遅れ。「たたかうおばあちゃん、読んでる人がどう思うか、感想を寄せているよね。それがいいよ」と言ってくれたので「行けなかった講演を読めてよかった、とか、行ったけど、聞いたけど、忘れるから読めてよかった、とか、言う人もいるんだよ」と弁解しておく。それより、なにより、前回の講演のときは私の心が「ばあちゃん」になかった。もっと重いものをかかえていたときだから仕方がない。 

「つどい場さくらちゃん・北海道車椅子の旅」の話になる。まりもちゃんが今年も行けないので「雨になれ〜!のろい、かけるぞ〜」とやる。かやのさんが「まりもちゃん、のろい、かけたらあかん」と止める。「かやのさん、べつに気でしないでいいよ。じょうだんよ〜」とまわりがとりなすが、許してくれない。まりもちゃんも「はい、ごめん」とひっこめばいいのに、ね。来年は行こうよ。じいちゃんも他の事情も、なんとかできるよ。
 だんだん「よっぱらい」が出てきた・・・あはは・・・さっさと洗ってもう、帰るわ〜。
 ケアマネちゃんが「楽しかったです」と言う。それはよかった。それにしても、ちかごろ、気になること。若い人が笑わない。まわりの我々、おばちゃんたち・おじちゃんたち、きゃはは、と笑っていても、笑わない。話題についていけない?私たちが若い人についていけないのと同じ?そうかな?表情豊かになってよ〜と思う。
 若くても介護職なんでしょ?目の前のじいちゃん・ばあちゃんをどうやって笑わそうか、とは、思うのでしょ?私たちも「この若者をどうやって笑わそうか」と思っているのだよ。