釧路駅着 10時24分 ノロッコ号に乗る

 駅舎の外のトイレに行く。改札口を入るとホームが広い。
 ノロッコ号に乗るには向うのホームに行かねばならない。エスカレーターでおりて、地下道を水平移動し、向うのエスカレーターで上がる。駅員さんがついてくださる。
 私は早苗パパの車椅子を押して行った。まず駅員さんがボタンを押してエスカレーターを停止させる。3段が1組になって平らな台ができる。左右両端に目印の青い線がついている。その上に乗るとストッパーが2箇所についていて、車椅子の車輪が落ちるのを止める。乗ったら動きだす。早苗さんは先におりている。車椅子もおりると、駅員さんは隣ののぼりエスカレーターであがり、また下りのエスカレーターを停止させ、次の車椅子を乗せる。「車椅子運転終了」と音声案内があるが、その後しばらくしないと、次の「3段1組」がめぐってこないので、なかなか時間がかかる。これは早くに着いて待機していて正解だった。
「上手くできてるねぇ」と感激すると、かやのさんが「当たり前や。大阪にもある」と言う。そうなんかぁ。知らなかったぁ。
 さて「ノロッコ号、4号車です」と言われてホームで待機。夫はビニール紐なんぞ持ってくる。「田植え靴のゴム輪があるやろう?あれで、足元をくくったらええかも?」と言う。悦子パパの足がフットレスト(足台)から落ちるのを気にしているのだ。車椅子が体の大きさに合っていない。パパは背が高いので、足も長く、台から落ちるのだろう。でも、こんな紐で足をくくったら、パパはもっと怒るだろうよ。
 駅員さんが乗り込み用の「折りたたみスロープ」を2組持ってきてくださる。ノロッコ号のステップが高いのだろう。このスロープは関西の私鉄でも使われていて、駅員さんが手に持って車椅子の横を歩いておられるのを見ることがある。安永さんは「スロープを貸してください。とうろ駅で使ったら返しますから」と交渉している。「だめです」と言われる。「ノロッコ号はとうろ駅で折り返し運転でしょう。返しますから」と言って、1台借りることができた。
 10時33分にノロッコ号が到着。4号車の前と後ろから乗り込む。あわてなくても大丈夫。進行方向左側が湿原なので、進行方向に直角にテーブルつきで向かい合わせの席が6席ある。右側には進行方向に平行したベンチ席があり、背もたれが窓向きにも中向きにも変えられる。窓は開いている。天井は金属むき出しで、ところどころにぬいぐるみのキツネやフクロウやエゾオコジョがくっついている。
 発車までに3号車に買い物に行く。ちらしをもらったり、スタンプを押したり...緑茶を買う。「ニセコ山系の水使用・北海道キヨスク株式会社」とラベルにある。ホームに「湿原の鐘」が見える。