釧路川をゴムボートで下る    1時45分ぐらい 予定では1時

 小雨もよう、カッパを着ていく。
 ボートは川に浮かんでいるが、船着場があるわけじゃない。道も草の間に土がむきだしの自然の下りだし、巾も狭い。ネイチャーガイド(船頭さん)たちが「どうぞ」と言ってくれる。「歩きにくい方には手を貸します」と言われ、杖使用組が先に行く。「お姫様だっこ」ではないが、本当に2人のお兄さんにだっこして乗せてもらった人もいたし、かやのさんはたまたま前にいた私の肩につかまって、ゆっくりと道をおりる。ゴムボートのふちを「よっこらしょ」とまたぐ。かやのさんが後列の真ん中に腰かけて、私はボートのふちにお尻をのせる。前には夕海子さんといよちゃんとたけちゃんが乗る。つまり5人。3人が左のふちに乗ったので、ボートが傾いている。あはは。船頭さんは真ん中の席でオールを握る。ゆっくりと川の中央に出た。「あとの2隻を待ちます」と言いながら少し上流に行く。
 あとの2隻には8人ずつが乗って、それぞれオールを握っている。ももちゃんも安永ママも握っている。皆、自分でこぐのだ。おもしろいかな?でも、こがずに、楽しい船頭さんに案内してもらって楽ちんだよ。途中で、2隻は「負けてる〜」と言いながら、競争しているみたいだ。あはは〜。むきにならなくてもええのに〜...それが楽しいのかも知れない。
 岸では、まるちゃんはじめ「バス組」が「行ってらっしゃーい!」と手を振ってくれる。ボートはゆっくりと下って行く。
 「るるぶ知床・阿寒・釧路湿原」にのっているのは2人乗りカヌーで「ガイドさん乗り込み、所要3時間、13,000円、時速4km」だが、ボートは「所要1時間、5,000円(税込み)」だ。川はどちらが上流かわからないぐらい「平ら」に感じる。
 ガイドさんの案内は上手だ。鳥が鳴いている。センダイムシクイ・ウグイス・カッコウ・きつつき(アカゲラだったか、左の岸の枯れた木の穴に巣がある)いろいろ聞いたが、小雨も降るし、一時はちょっと強くなり、やがてやんだが、メモはとれない。忘れてしまった。蚊がブンブン飛んでいる。ボートに乗るときについてきて、そのまま、どこにも行かない。アースか虫除けスプレーを持ってくるんだった。それ以外は快適な旅だった。途中で眠くなったぐらい、の〜んびりしたよ〜。よく川に落ちなかったねぇ〜。
 他の2隻が追いついたり、争ったりしている。うふふ。
 川の両岸は土がむきだしで、草が繁り、木も斜めになっている。水の流れが岸を削っているのだそうだ。岸にはエゾシカの足跡がある。大きな木はヤチダモ。本州のアオダモの仲間。アオダモならうちの裏山にたくさんあって、6月に咲く白い花がぼんやりと夕闇にまぎれるのが大好きだ。アオダモはバットの材料だよね。シラカバは珍しく、1本が見えた。柳の枝が垂れ下がり、白い泡がついているのは虫の卵だそうだ。
 右の低い岸の手前の川の中に「侵食止め」の木の柵が見えた。その次に左が高い崖になっている。崩れた跡があり、木が横向けに生えている。冬の間に土が凍り、割れて崩れる。木は落ちる途中で止まり、そのまままた上を向いている。川の中まで落ちて直立したまま立っている木がある。
 船頭さんに「地形はすっかり頭に入っているんでしょう?航行していて難しいのは何ですか?」と訊いた人がいて「どこに流木があるか、ですね。当たると危ないですから」という返事だった。確かに流木は水に押されて上下に見え隠れしていて、そこには流れてきた物が付着したり、流れも速い。大きい木なら、渦をまいているかも知れない。
 終点に着いた。これも何も無い岸辺だ。上に祠があった。何の神様?
 2隻が先に岸に上がる。船頭さんも岸に迎えに来てくれたワゴン車やトレーラーの運転手さんも総出で客を引き上げてくれる。私たちは最後なのでもういたれりつくせり。ワゴン車が満員になり、元気組はバスまで歩く。3時20分、バスに到着。
 うん、とても楽しかった。ネイチャーガイドさんたち、ありがとうございました。初めは申し込んでいなかった人も前日になり「俺も行きたい」と言ったが、皆、受け入れてもらえて、満足な旅であった。蚊が多いのを除けば...