黒豆を植える

 今日は中学に行く。
 1時間目は黒豆を植える。駐車場と植木の間の狭い畑に植えるという。去年も植えたから連作になる。普通は連作はきかない。土中に悪い菌や虫がいなけらばよいが...
 まず、耕す。備中鍬とスコップが2丁ずつ。小さいシャベルで耕す子が「先生、土の色が変わった」それは深く掘りすぎて整地したときの粘土が出てきたのだ。「あかん、ほりすぎ!」と言ってもやめない。そのうち「先生、水が出てきた」「あかん、やめて」こんなことの連続。
 先生は4人だが、生徒も10人。いろいろとんでもないことをするので、大変なんだ。畑仕事は3人ぐらいの生徒が望ましい。一人ずつ、丁寧に教えないと、ね。「仕事」をさせると性格がよくわかる。卒業したら特別支援学校の高等部に進む子が多いが、その後は就職を目指す。そのために必要なことは?
 3つの約束をしたそうだ。「先生の指示を聞く」聞いていても聞こえていない。「やめなさい」といってもやめない。そばでついていないとやめてしまう。あっちへ行ってしまう。いろいろあるが「仕事」の時間は作らないといけない。「ちゃんとしないと社長さんにしかれるよ」と言ったりして「働く」ことを教える。
 道具を使うときは使っている人に近寄らない。危なくないように、まわりの人が気をつけて近寄らないようにする。鍬をふるっている人のそばに寄らない。肥料を撒いている人から離れる。でないと、肥料が飛んできて目に入る。道具を洗って片付ける。そういうことを細かく教えていく。
 しかし、この少人数のクラスだから細かくできるという点では、普通の40人学級ではまず「仕事」を教えているかどうか?「木工」「金工」「調理」「裁縫」があるが、外の作業はないだろうなぁ。石拾いをしなくてもよいような砂と土の混合の運動場だし、ね。
 黒豆は植木鉢で育っている。それを先生が抜いて「40cm間隔に並べる人」「その人に苗を渡す人」を決めて、細長い畑に配置する。できたら一人が3〜5本を担当して植えていく。
 今日だけは私が「先生」だ。担任も「すもも先生の言うとおりにしないと黒豆が育たない」とバックアップしてくださる。植え終わった。片づけも授業のうち。
 2時間目は「北海道・車椅子の旅」のおみやげ話とおみやげの写真を配る。生徒は1年生が一人、2年生が2人。写真は「風曜日」のオーナーにいただいた「霧の摩周湖」だ。おみやげの「鶴の卵」は今日は食べる時間が無いので先生に預けた。
 教室にもどると「すももさん」にもどってしまった。「先生」とは呼ばれていないのだよ。うふふ。
 それから「カラスよけ」を作る。せっかくできたトマトをくちばしでつつかれると腹がたつでしょう?先生は「腹が立たない」らしい。「あ、やられた」だって!カラスにはカラスで脅す。黒い小さいビニール袋に新聞紙を裂いて詰める。角を見てごらん。カラスの顔になっている。いちおう、輪ゴムで止める。目を作って貼る。体を作る。まんまるなままのカラス。割り箸で羽根と足を作り、黒ビニールをかぶせて羽根を作っている生徒。頭と両羽根だけ作った生徒。三人三様。先生と畑のトマトの棚につるしに行く。
 1時間目に「黒豆植え」作業を撮影しておられた先生が「黒豆を植える」というクラス通信にたいなのを作ってこられた。なんと速い作業だこと。写真の横に説明文を入れ、綺麗にできている。すごいね。
 3時間目は男の先生二人で「看板作り」のこぎりで切ったり、釘を打ったりして「黒豆」という看板が2枚できた。おしまい。今日で1楽器の勤務は終わり。あとは夏休みの学級登校日に「カレーライス同窓会」をする。保護者の皆さんも弟妹も高校生になっている卒業生もやってくる。楽しみである。私も「ボランティア」を呼んでいる。