「まるちゃんと知り合ったのは?」と訊かれて...

 病気になったら患者の会を探すごとく、ばあちゃんがぼけて家族の会を探した。我が西宮市には「認知症家族の会・さくら会」と「寝たきりの人を介護するひまわり会」がある。どちらも社会福祉協議会のサポートがある。
 ところが、うちは市役所や「なんとか会館」から遠い。そこで月例会をされても行きにくい。今も「つどい場さくらちゃん」に新しいお客さんが来ると、まるちゃんは「すももは山の裏側から来た」と紹介してくれる。息子なんか「住宅地図ではうちは郊外と出ている」と言う。市役所まで電車とバスで1時間半なんだから。「ヘリコプターなら速いで」と私が言うと「持ってるの?」「持ってないよ〜」あかんわね〜。車を運転すれば3〜40分で着く。とにかくはじめは「さくら会」に入る気になれなかった。
 夫が民生委員をおおせつかった。社協分区で「介護家族を励ます集い」を年に3回する。夫がそこで、お父さんを介護中のまるちゃんに知り合い「まるちゃんのおだいどこ、オープン!」のちらしをもらってきた。自宅でするらしい。あかん、こんな保守的で閉鎖的な地域で新しい住民が何か始めると、どんな邪魔が入るかも知れない。応援してあげなくちゃ...オープンの日に夫とかけつけた。
 看板が出ていた。玄関には靴が多数...私からのお土産は「平核無柿・ひらたねなしがきの焼酎渋抜き」「赤ずいきのお祝いリボンつき」目立つ?出て来た人は無愛想...そこへ「まぁ〜いらっしゃい」と、にこにこまるちゃん。
 後日、まるちゃんがお礼に来てくれたが「家、どこ〜」と通り過ぎてから電話がくる。あわてんぼうなんだ...「三好春樹さんの講演会においで。ついでにさくら会に入り。今、入ったら3ヵ月分の会費300円で、講演の1000円が無料で聞ける。お得よ」につられて入会。まるちゃんの弟子になる。三好さんはおもしろかった。「たたかうおばあちゃん」にのせた。その後、何人もの講師の講演を記録してきた。「行けなかったので読めてよかった」と喜ばれている。