介護情報紙「ベターケア」に紹介される

 「ベターケア」は芳林社発行の季刊の介護情報紙である。発行4万部で、定期購読者に送っている。一般書店には置いていない。 2005年29号に「つどい場さくらちゃん」が紹介された。それを1冊もらって綴じ込みのアンケート葉書を出した。
 アンケート用紙が届いた。「いま、いちばん介護で困っていること」とある。書いてファックスで送れば2000円の謝礼がもらえる。すごい!バイトよりおいしい。早速用紙をコピーして「さくら会」で配る。「みんなで書こう」
 2006年35号にのった。「読者23名に聞く介護の悩み」このうち何人かが私から用紙をもらった人たち。こうして儲ける関西人。
 私は違う。大封筒にアンケートと「たたかうおばあちゃん」冊子を送り「読んでください」...社長さんから電話がかかってきた。「取材に行っていいですか?」「私は、介護はしてません。ばあちゃんを怒ったり、たたいたりしてます」「それでいいのです。普通に家にいて、畑で草引きをして、自然な暮らしが良いのです」と言うわけで、2007年4月、社長川上一郎さんとカメラマン大東照男さんが来てくださった。
 ばあちゃんは、にこ〜...「よう来てくれたったなぁ〜来てくれな、会われへん、嬉しいわぁ〜」私を振りかえり「あんた、何か、お口に合うもん、持っといで」!!命令するのだ。現役主婦に戻ったのかしらん?
 訪問の前に「怒りんぼばあちゃんを笑わせるにはどうしたらよいか?」ケアマネ君に教えてもらった。「自分の写真を見ると笑いますよ」デイの誕生日カードを出してみた。「ばあちゃん、これ、ばあちゃんやで」笑わない。おやつを食べてにっこり。「どうぞ」とすすめてにっこり。「ばあちゃんの編んだ服、見せてあげて」笑わない。「これ、ばあちゃんが編んだの?」と大東さんが聞く。「どないしますのん?たたみましょか?」「はいはい、ばあちゃん、たたんで」でなんとか写す。
 「ばあちゃん、畑、行こう」と言うと「あんた、行っといで」「お客さんがばあちゃんの畑を見たい、て言うてはるねん。ばあちゃんが行くんや」と玄関に出すと、ばあちゃんはさっさと川上社長さんと手をつないでいる!ばあちゃんは優しい「兄ちゃん」が好きなのである。「証拠写真!」
 畑でパチリ、パチリ...呼んでも答えず、草を引く。取材は終わりであった。
 5月発行38号「『たたかうおばあちゃん』に一喜一憂しながら、いつもどおり自分達の生活のペースを保つ」 好評だった。「ばあちゃん、かわいい」「こうして暮らせたらぼけてもいいね、って主人がほろりとしてました」「すももの写真がかわいすぎる」あはは。よかった。良い記念になった。また「これでいいんだ」と自分なりにほっとして、介護生活にゆとりがでてきた。ご近所が優しくなった。