「あなたが認知症になったから。あなたが認知症にならなかったら」越智須美子・越智俊二著 中央法規 2009年

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5.月
 越智さんは、2004年10月15〜17日に京都市で開催された第20回国際アルツハイマー病協会の国際会議で、若年性認知症の当事者として講演された方である。講演の文章もこの本に収録されている。
 本の終わりの方に、須美子さんが書いておられる。
 「世の中の人たちは、私たちの辿ってきた険しい道のりに、『深い夫婦愛』や『強い家族の絆』といった物語をみつけようとします。・・・でも決してそうではありません。・・・懸命にその日その日を生きてきた、一日一日を積み重ねてきた、それ以上でもそれ以下でもありません」
 これが納得できるのは、私が「さくら会」などで「私のような親を介護するのと、ご夫妻の場合は違うのですか?」と尋ねるときだ。「愛情というより、同情ね」とさらっと言われる。「ほっとけないもの」だそうだ。施設に入っておられて会いに行って、ご主人に「私が死んだら会いに来てくれる人がいないよ」と言うと「そんなら、またお嫁さん、もらう」と言われるのだそうだ。冗談でそんなことを言うのだもの、ね。もう「空気」みたいなもん?
 認知症になってバラバラになる家族もいれば、かえって絆が深まる家族もいる。それはいろいろだ。
 須美子さんもブログを書いておられる。「越智須美子 ココログ」で検索して下さい。
 また「越智須美子ココログ」にリンクされている「バラと宝塚とキラキラが好き」というブログはベルバラ・キッズの漫画が散りばめられている。レビー小体病の姑さんの介護をしている方で、レビー小体病を知りたい方はぜひどうぞ。
 私の「文字だけの日記」ではなくて、この方々のブログはきれいでいろいろあって、読む楽しみがあると思います。