30年の歴史

 「認知症の人と家族の会」は30年の歴史がある。会を作ったころと今は大変な差がある。
 昔は呼び名も「痴呆症」。介護保険もサービスもなく、頼むのは私費の家政婦さん。頼めなければ座敷牢。または柱に紐でくくりつけ、家に残して仕事に行ったのだ。
 「30年で変わったのは、私の頭です」と高見さんが冗談を言われる。笑いが絶えない、楽しい話し方で、ほっとする。
 まじめに! 変わったのは制度。社会の理解と支援。変わらないのは本人の気持ち。家族の思い。
「だから皆さん、一人で悩まないで。相談に来て」と高見会長が訴える。
 私が10年もかかって得たことを高見さんの一言で言われてしまった。悔しいなあ〜。って、高見さんに挑むほうが可笑しい?そうだよね。ユーモアたっぷりの話口で尊敬できます。