膵炎

 夫が入院している。「おなかが痛い」と言いながら「なおった」を繰り返してお医者さんに行かなかったら、「痛い。歩けない」になってしまった。救急車のお世話になった。
 運ばれたのは、神戸市の某病院。キリスト教会の病院なので、働く人皆さんが優しい。私も10数年前に子宮筋腫の治療で入院・手術を受けた。懐かしい。もうその時のスタッフはみつからないけれど・・・。
 まず副院長先生の診察を受け、CTと血液検査を受けたら、担当が外科の先生に代わった。画像を見ながら説明を受ける。画面に映るおなかの中の映像がマウスで自在に動く。進歩したのだなぁ。
 そのうち内科の先生も来てくださって、二人で「今すぐ開腹する根拠もみつかりませんね」と言っておられる。「でも、この影が気になりますよね」とか穏やかではない。夫は「どこが痛いですか?」と言いながら、何度もあちこち触られて「う〜ん!」とうなっている。
 血液検査の結果が届いた。と言ってもコンピューター画面に届く。夫の名をクリックしたら、各項目が現れ、赤字は基準値より高いもの、青字は低すぎるもの、となっている。進歩したのだなぁ。
 外科の先生が「アミラーゼが高いでしょう?膵臓インシュリンも出しますが、消化酵素のアミラーゼも出します。血中のアミラーゼが高いということは、アミラーゼが自分の体を消化しているということです。おなかの中の大やけど。ですから熱も出ます。入院して絶食・点滴で抗生物質を使い、炎症を止めます」
 と言うわけで入院。私は手続きをして荷物を取りに帰り、その夜は付添いで泊めてもらった。
 幸い、熱も下がり、注射が効いて痛みは和らいで眠っていたので、私も寝た。
 次の朝、外科の先生の回診。「今朝の血液検査で数値は少し下がりましたが、まだまだです。ですが、開腹手術はせずにすみそうです」と言われた。「私は帰ってもいいですか?」と訊くと「奥さんは帰ってもいいですが、旦那さんは帰れません」!!おもしろいねぇ。まぁよかったこと。この方はまだ若い。背が高くてハンサム、頭が良くて優しくて、なんでもそろった人もいるのだなぁ。(だって、お医者さんでも意地悪な人や、憎たらしい人や、失礼な人はいるじゃない?)
  おっと失礼!「家族にも意地悪や、憎たらしいのや、失礼なのはいる」って?あはは。