「傷だらけの店長・それでもやらねばならない」 伊達雅彦著 PARCO出版 2010年

 あとがきに「この書籍は、出版業界紙新文化』に不定期的に連載していた『傷だらけの店長〜それでも本屋を続ける理由』に、若干の書き直しと数篇の章を加えた」とある。
 そのため、目次が(1)から(47)まである。ときどきを抜き出して(〜)に何の話か?を書いておく。
1.誰もいない店内で。 (22時、客がいなくなり、スタッフも帰った閉店後、店長が一人で残業をする。本を棚に入れたり・・・いろいろ)
2.ただ、許せないだけなんだ。 (万引きの少年を追いかける)
3.消えてくれ! (クリアボタンを押したい。そう思う一瞬が、1日に何回か・・・)
4.本屋なんかやめておけ・・・? (「僕も将来、本屋になりたい。楽しそうだもん。叔父さん、どうやったら本屋になれるの?」・・・と問う中学生の甥)
9.なにしろ時給が低い。
18.私よ、あきらめるな。 (店の近所に大型書店が出店することになった)
25.全国データとやら。 (「おたくはいいねえ。品そろえ蛾しっかりしているし、奇抜な本も置いてあったりして。見てるだけでも面白いよ」と客が褒めてくた。近隣に大型書店が出店してくるまでは)
38.告知  (閉店することになった)
42.いつも通りの1日。 (最後の営業日。昼過ぎからおなじみ客が次々に来て、普段の3倍以上の売上。記念撮影やらプレゼントを持って来る客やら・・・)
43.闇の奥を覗く。 (店が解体される)
47.志を捨てられない、すべての書店員へ。 (著者の私はもう書店員にはもどらないが、私は書店に入ったころより、さらに何倍も『本』が好きになっている自分をはっきりと感じることができる)

 私(すもも)の近くの書店が2つも閉店した。駅前の書店がなくなったときは「文化から見放された」気がした。
 私も本が好きだ。好きだから、本屋さんになってはいけないものなのかしら?
 学生時代の友達が本屋さんのお嬢さんで、いつもその人から買っていた。中学校に勤めていたときは、最寄の書店で月決めで買っている月刊誌があった。店にも行った。
 大阪に行くと大型書店に行く。本と向き合うのは幸せなひととき。
 今は本屋さんに勤めている教え子が送ってくれる。新聞記事を読んで注文すると、届いてびっくり!あらま?という本にも出会う。それはそれで面白い。本屋さん、大変だろうけど、頑張ってね。本屋さんがなかったら?などと考えるだけで、恐ろしい。だから、これからも本を買おう。