「逝かない身体・・・ALS的日常を生きる」川口有美子著 医学書院 2009年

 新聞の図書紹介ページに「第41回 大宅壮一ノンフィクション賞 受賞!!」の載っていたので注文した。届いたら、大きな本で、265ページもある。表紙が町の風景写真で、それを白黒にしただけの写真が各章の扉にあるだけの、他には挿絵もなくて、文字のみぎっしりの本なのに、読み出したら止まらない。これがプロの文章なんだと圧倒された。
1.静まりゆく人
2.湿った身体の記録
3.発信から受信へ
終章 自然な死
 
 ALSという病気はテレビで見たことがあるぐらいで、「だんだん筋肉が動かなくなる」ぐらいの知識だった。「身体が動かない、とはどういうことか?」がわかっていなかった。読んでみると、なるほどこうなのか、と思うことばかりだった。その方をお世話することがどんなことなのか、なんて、読んでもわからないことがたくさん残る。表現する語彙力がない。不謹慎をお許し願えるなら、これは読み応えのある本です。お薦めします。