あとで思えば・・・

 司会者が「言ってもらってよかった」について。
 認知症の本人は、全部がそうかどうかはわからないが、うちのばあちゃんは「お医者さんは偉い人」と思っているから、お医者さんの前では「ええかっこ」をする。「お世話になってます」も言えば「デイに行ったら、ようしてもろてます」とおべんちゃらも言う。
 デイに行っても、最初はええかっこをする。そのうち慣れてくると、職員にはええかっこしても、帰ってきて「若いもんは何にも知らへん」とぼろくそに言う。
 そういうのを職員は知っていて、「長谷川式スケールで得点が高くても、世話をしやすいとは限らない。お医者さんは診断するだけだが、日々の世話をするのは我々介護職だ」というのを実感として思うのだろう。家族も「そうだ、そうだ。お医者さんの目の前の一瞬の姿で判断されてはたまらない。一日一緒に暮らしてみてくれたら、わかる」と思うのだよ。