しきみ

 しきみを取りに山に来た。大きな松が枯れて倒れて荒れている。しきみを切る人がいないのか、木の芯で形の良いのがたくさんある。
 昔はばあちゃんに「こんな枝しかなかったんか!」とボロクソに言われた。憎たらしかった。
 ばあちゃんは、姉さんとこの分とか、たくさん取って束にして担いで帰ってきた。まあ、よう働いたわねぇ。