○厚生労働省老健局  第86回社会保障審議会介護給付費分科会

  (大森彌・分科会長)
  (2011.11.24)議事録 市民福祉情報・オフィス・ハスカップより
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yvry.html

 [介護職員処遇改善交付金

  田中滋委員(慶応義塾大学大学院教授):
   処遇改善交付金を本体報酬に取り入れるとして、
   それを加算とし、
   支給対象や支給方法を細かく縛る案には
   強く反対します。
   介護保険の目的は措置からの脱却でした。
   収入の使い道を事細かに決めて、
   それを公的に監視するような体制は
   非効率なシステム管理費用の上昇を招きます。
   また、働く人同士の連帯や働く方を縛る
   非近代的な状態の後戻り案になりかねません。

  池田省三委員(地域ケア政策ネットワーク):
   賃金の配分について国家が介入するというのは
   どう考えてもおかしい。
   むしろ例えば実際の介護事業において
   労働分配率がどうなのか。それは一体適正なのか。
   それをきちんと私は調査すべきであって、
   1万5,000円がいったかいかないかという
   単純な問題ではないと思うんです。

  武久洋三委員(日本慢性期医療協会):
   国家が経営に参画するということは
   共産主義に入りかけたのかというふうにも
   思われかねないと思いますので、
   私は絶対にそういう介入はすべきでない。
   自然に任せると
   ちゃんと悪貨は駆逐されていくと思います。

  三上裕司委員(日本医師会):
   私は田中先生の意見に賛成をいたします。
   報酬の中に入れるのは賛成ですけれども、
   加算で入れるのは反対です。

  山田和彦委員(全国老人保健施設協会):
   介護職員に限定した形での交付金制度というのは、
   今回限りにしていただきたい。
   今回は是非介護報酬の中に入れて、
   あくまでも労使間で処遇改善に資する方向で
   改善を図る。
   当然、事業主が職員をきちんと評価しないと、
   職員は現場を去っていきます。
   去っていく施設はサービスは
   当然将来的に廃れていきますし、
   サービスの質は落ちるわけですので、
   そこはもう少し信頼していただいて、
   実態を見ていただきたい。