病気の進行と症状
*急に認知症が悪くなった気がする。
ゆっくり進むものだと聞いていたし、家族がきちんと対応していると進みにくいって言うし・・
私の介護の仕方が悪かったのかな?
*認知症は症状ですから、病気が進行しなくても症状が悪くなることはありえます。
症状ではなく、認知症疾患自体が、介護者の対応の悪さで振興したという証拠はありません。
介護者の対応が良いので認知症疾患自体の進行が止まったという証拠もありません。
症状が安定していることが、すなわち病気の進行が止まっているとも言えません。
《これを聞くと、介護者の皆さんは、空しくなりますか?しかし、症状が安定していることは、介護の努力のおかげであると、評価しましょう。あるとき、介護の限界がくると、症状が急激に悪くなることがありますが、それはしかたないと受け入れましょう》
*症状の一時的悪化と病気自体の進行とは一応分けて考えた方がよいと思います。
一時的に症状が悪くなり、結果として認知症が悪くなることはありえます。
しかし、それが病気自体も悪くするというはっきりした証拠はありません。
《疾患はあってもうまくやれば症状が出ないことはあると考えよう。風邪のウイルスが体に入っても症状が出ないことがあるのと同じ》
*一時的な症状悪化が起こる原因
体の状態が悪くなっている。
誰でも、体の調子が悪ければ頭の働きも悪くなります。
発熱、風邪、脱水、肺炎、心機能・呼吸機能低下、強い痛みなど
脳梗塞、転倒による脳外傷などによることも考えられます。
血管性認知症は脳梗塞再発の有無を確認
*急激な環境変化があった
家族の生活パターンの変化、介護者の対応の変化、親しい人の突然の訪問、デイサービスの曜日・通所メンバーの変化やスタッフの変化、など認知症の状態は環境との兼ね合いで変わります。
もし、これが原因なら2〜3ヶ月して変化した状態に慣れてくると、元のように戻る可能性があります。
*一時的悪化の原因は出来るだけ早く見つけだして、早く対処する必要があります。
元の病気が進行してしまったから仕方ないと思い込んで放置していると、ほんとうに元の病気自体が悪くなってしまうかも知れません。推測にすぎませんが・・・
《強いストレスがアルツハイマー病を悪化させているかもしれないという説があります。急に夫が死ぬ、本人が急に入院する、など。2〜3ヶ月待つ、早めに対処する、矛盾しますが真ん中をとるという手もある》
*認知症は一人一人皆違う
・認知症を起こす病気が一人一人違う
・脳のどこが障害されているかが一人一人違う
・生活の仕方が違う
・生活している環境が違う
・その人らしさが違う《気をつけねばならないこと。伸ばしてあげたいこと》