ディスカッション3「住民発 当事者発の活動の中に宅老所・グループホームの原点をみる」12:10〜13:40
これがまるちゃんがパネリストになっているものである。休憩中に携帯電話をかけると、まるちゃんは「来てるな。こちら、打ち合わせ中」だったが、早めに会場に行くと、まるちゃんの席は壇上の中央だ。私も一番前の少し左に席をとる。ふと左を見ると、まるちゃんがいる。早速、リュックを持ってご挨拶に行き、一緒におられたパネリストとコーディネーターの方々に「たたかうおばあちゃんセット」をプレゼント。だって今回は隣の人にさしあげるほど親しくなれない雰囲気なんだもの。
+コーディネーター 神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 社会リハビリテーション学科 准教授 藤井博志さん
壇上に上がられてから気がついた。去年の春の「ケアマネ研修会」のときもコーディネーターをしておられた。「つどい場さくらちゃん」の講演会の講師にも来てくださったが、それには残念ながら行けなかった。
+パネリスト
1.すずの会(神奈川県)代表 鈴木恵子さん「住民による地域福祉実践 川崎市宮前区野川 『すずの会』」
鈴木さんは30代後半から10年間、4人の親を同時に介護された。介護保険がない時代なので、支えてくれたのはPTAの仲間だったそうだ。そこで介護をおえてから平成7年9月に、小学校のPTA仲間5人で「すずの会」を作った。鈴木さんの鈴ではなく「困ったら鈴を鳴らしてね」の鈴だそうだ。野川地区は人口28000人、高齢化率16.5%。平成20年4月には活動メンバー59名になっている。継続は力なり。もう14年だ。
3ページ「設立の動機・趣旨」 *代表の介護経験を地域で生かす *自分達の老後も考えたグループ作り *当事者の立場で考える *生活者の視点を忘れない *ネットワーク作り *身近なつぶやきを実践に生かす
4ページ「主な活動内容」 *集いの場 ミニデイ「リングリング」 ご近所サークル「ダイヤモンドクラブ」 *地域ネットワーク「野川セブン」 *介護者サポート(スポットヘルプ・介護相談) *情報提供(介護情報誌『タッチ』発行) *公園体操 *特養内地域開放型『喫茶マロニエ』
5〜8ページ「ミニデイ『リングリングクラブ』」 *老人いこいの家でする *第2水曜・第4火曜 10:00〜15:00 *私が主役 *プログラムのない楽しさ *男性参加者が増加・子育てママの癒し *家族も一緒にファミリーサポート *情報交換・一人ひとりの状況把握 *食事は手作り500円
9ページ「男組」
10〜12ページ「ご近所サークル『ダイヤモンドクラブ』」 *ご近所単位の集いの場 *有志が自宅を開放 *ちょっと気になる人を仲間に *穏やかな関係作り *悩みもさりげなく *当事者の自宅を開放 *開催は年3回以上自由に
13〜15ページ「孤立から豊かさへ 息子介護」 「男介の時代・息子介護」という本を出す予定
16ページ「地図でさがす」 *気になる人 *つなげる人 *つながるところ *隙間をうめる *手の届く範囲 *プロの盲点
17ページ「広げる・繋げる地域ネットワーク」 *地域ネットワーク会議 21001年1月より 毎月1回定例会議 *すずの会がまとめ役 21団体 地域包括支援センターの運営会議もかねる *地域で心配なことを皆で考える、即実行
18ページ「活動資金」 *川崎市民活動センター公益活動助成 *神奈川県提案型協働事業「地域コーディネーター育成事業」 *協働ぼけ陰 *会費・賛助会費 *寄付 *参加者負担金 *バザー *冊子等売り上げ
鈴木さんの話を聞いて「あ〜、これが地域サロンなんだぁ〜」と思った。こんなにいろいろなことをきっちりして、しかも14年というのは素晴らしい。関西のおばちゃんとはまた違うたくましさを感じた。すごい組織力です。聞いた値打ちがあります。
2.特定非営利活動法人つどい場さくらちゃん(兵庫県)代表 丸尾多重子さん
さて、まるちゃん登場。「学びタイ、おでかけタイ、見守りタイ、西宮戎っさんの鯛です」とおなじみのギャグを言って、いつもの映像を出してくる。「つどい場」にはまた私の姿も写っていて「ばあちゃん、これ、誰?」「知りません」「娘を忘れても生きていけます」場面。まるちゃん「この介護者がこの会場に来ております」でも、誰も気がつくまい。隣の人でさえ...それほどなんか会場の雰囲気が、かた〜いのだよ。
要綱には1〜4ページ「つどい場さくらちゃんの案内ちらし」
5〜8ページ「機関紙『みんなのさくらちゃん 第3号」
まるちゃんは相変わらずです。でもあとで思えば、「宅老所フォーラム」と「アメニティ・フォーラム」が午後は合同になり、その全体会で発表するぐらい「旬!」なのだということです。今、一番新しいのが「すずの会」と「つどい場さくらちゃん」いや、もう一つ社会福祉協議会のおじさんたちも頑張っています。
3.雄琴学区社会福祉協議会(滋賀県大津市)会長 雄琴学区地区民生児童委員協議会副会長 小倉勝世さん「私の地域福祉論 〜『助けて!』と言える世の中を作るために〜」
小倉さんは民生委員さんだ。お医者さんが「死ぬ前に誰に会いたい?」と訊いたら「民生委員さん」と答えた人がいるそうだ。
小倉さんの要綱はいたってシンプル、文字ばかり2ページ。
(1)地域福祉とは・・・地域に住んでいる人たちみんなが幸せになることです。そのためにはみんなでする支え合いが必要です。「助けてね」が気軽に言える地域にすることです。「福」は神から恵まれた豊かさ、「祉」は神の授ける福、つまり「さいわい」「しあわせ」
(2)雄琴は温泉で有名。雄琴で始めたことは「地域ケア会議」
(3)私たちの想い そしてこれから
私たちにできること *見守り・声賭け・寄り添い *一人ではやらない。複数でする。 *相手の話を聞く。ただひたすら聞く。アドバイスはしない。 *相手が心を開くまで松。 *支援をする。地域の人・専門職・行政職・いろいろな職種の人が単独ではなく複数で関わる。 *まだまだ試行錯誤の連続です。この活動には終わりはありません。
小倉さんはいろいろやっておられる。「問題はいくらでもある。嘆いている時代はすぎた」と言われる。何かをしなくちゃ。
藤井さんの司会で3人でまた話しあう。宅老所がないところもあり、グループホームがあっても料金が高い。払えない。使えない。
ちょおとした手助けで家で暮らせる。今日、誰かが一人泊まってくれたら、この人は家で暮らせる。そういう支え合いだと言われた。やったらできるんだね。やらないからだ!