「累犯障害者 獄の中の不条理」山本譲司著 新潮社 2006年

 山本譲司さんは2000年に衆議員議員のとき、政策秘書給与の流用事件を起こし、01年2月実刑判決を受け、433日に及んだ獄中での生活を「獄窓記」に書き、04年、第3回新潮ドキュメント賞を受賞された。これはテレビドラマになったかな?見たような気がする。それとも、ドキュメンタリーだったのかな?
 そして知的障害者の起こした刑事事件の弁護活動を専門的に行っている弁護士・副島洋明さんの訪問を受ける。「山本さん、よくぞ服役してくれました。心から感謝します。『獄窓記』のおかげで、これまで全く伝えられることがなかった、刑務所内での障害者の処遇を知ることができました」
 山本さんが絶えず胸中に抱く一つの言葉「俺ね、これまで生きてきたなかで、ここが一番暮らしやすかったと思っているんだよ」刑務所を出ても、お金に困り、また犯罪を犯してまいもどってきてしまう人たち。「累犯」というのは「次から次に犯罪に結びついてしまう障害者たち」という意味合いで使ったそうだ。悲しすぎる...
序章 安住の地は刑務所だった  下関駅放火事件
1.レッサーパンダ帽の男   浅草・女子短大生刺殺事件
2.障害者を食い物にする人々   宇都宮・誤認逮捕事件
3.生きがいはセックス   売春する知的障害女性たち
4.閉鎖社会の犯罪    浜松・ろうあ者不倫殺人事件
5.ろうあ者暴力団    「仲間」を狙いうちする障害者たち
終章 行き着く先はどこに  福祉・刑務所・裁判所の問題点