今日も畑の学校

 まず、ご近所のおばあちゃんと孫が「夜店の金魚」を「畑の池に入れたい」とやってきた。
 池は8月11日の台風の豪雨で土砂に埋まったわよ。
 水を貯めるために置いている風呂桶に入れることにした。山から引いている水道は消毒液も無いから魚も平気だ。そこに少し泥があるので、金魚が見えない。水草でも植えてやれば、元気に生きていくだろう。「また見に来る」と言う。「縁をたたいたらえさがもらえる」と教えればなつくだろう。
 次に親子が来た。
「渋柿と甘柿の見分け方」を聞いてみると「形?」と言う。形は渋柿の平核無柿も甘柿の富有柿も似て、平たい。
「柿に爪をたてて、丸く傷をつけ、傷口を見る」と教えたが、「柔らかい」とか、見当違いの答えを出してくる。「果肉を見るんだよ」と言わねばならない。「甘柿は甘い点がある。渋柿には無い」という答えに到達しない。
「柿はもともと渋いので、それはタンニンという成分のせい。タンニンがいつまでも水溶性のまま残るのが渋柿。舌にのせると、唾液で溶けて渋さを感じる。甘柿はタンニンが水に溶けない形に変わるので渋くない」と言うと、不思議な顔をする。「渋柿はいつまでも渋い。甘柿は勝手に不溶性のタンニンに変わる」と言っても、いまひとつ納得しない。もしかしたら「柿には甘い柿と渋い柿がある」自体がわかってなかったのかも?柿はもともと渋い。甘味は熟したら出てくる。タンニンが違うだけ。よけいわからん?
 その人にプレゼントした甘柿は大久保柿で、持って帰ったら洗って冷蔵庫保管ですぐに食べる。渋柿は焼酎処理してあるから密閉した袋を開けずに常温保存で1週間。味見。
 そういえば昨日も「常温て室外ですか?室内ですか?」と聞いた親がいた。
 昔なら周りで見ていた話しも、今は伝わらない。お店で柿など買わないのかも?
 田舎育ちの年寄りは「柿は家に植えてある。なければよそのうちのをもらう」と言う時代。
 今も散歩のときに柿でも栗でも持って帰る人がいる。どこも私有地であり、柿も栗も持ち主がいるのだよ。