青少年健全育成大会

 青少年愛護協議会は毎年この時期に「青少年健全育成大会」を開く。今日は講演と演奏だった。
 講師はスクールカウンセラーの戸田玲子先生だった。題は『カウンセリングルームから見た子どもたち』「私は学校では、おばあちゃんの役割です。お母さんに話したいのに、聞いてもらえなかったことを、おばあちゃんに話す感覚です」とおっしゃる年齢らしかった。もの静かでおちついた方だ。子供の訴えを受け止めるには最適の方だろう。
 それより驚いたのは、長年、企業でカウンセラーをしておられて「自殺する人は毎年、3万人もいるのです」だった。それも働き盛りの中高年の自殺が多い。一人が亡くなると、その人の家族・友人などその人をとりまく10人の人に、衝撃を与え、その心の傷が癒えるには、適切なカウンセリングと長い年月が必要だということ。とくに身近な人こそ「気づいてあげられなかった。防げなかった」と自分を責める。これは、大変な世の中になったと思う。何とかしなくちゃ。
 死なないで!死んではいけない。悲しむ人がいるから。

 私も同級生に死なれた。学生時代にも、中年になってからも。病気や事故で死んだ人でさえ、忘れられないのに、自殺した人のことはもっと忘れられない。そういうものなんだよ。
 病気や事故で亡くなった人には「忘れないよ。私達を見守っていてね」と祈ることができる。
 自殺だったら、どういうふうに祈れ、と言うの?
 先日、理容院に行ったとき「うつ病はどういうもの?」と訊かれた。「病院に行って治療するもの」と答えて「老人性うつ病は、気づかないでいると、自殺することがあるので、要注意よ」と言っておいた。何例も知っている。「どうやったら、気づくの?」と訊かれたが「何か、元気がない、気力がない、とかが信号かも知れない。早く気づいてあげて」としか言えない。
 死なないで!

 第二部は演奏だった。フルートとピアノだった。綺麗な音だった。