やたら、おとなしい

 ばあちゃんは、皆が帰ってしまうと、うってかわっておとなしくなった。「ここで待って」というと、台所でちょんと座って待っている。ご飯を食べてお風呂に入って、さっさと寝てくれた。
 安心して、ばあちゃんの部屋のとなりの応接間でパソコンをしていると、ばあちゃんは起きだして、トイレに行く。廊下には、おやつは置いていない。部屋に帰ってきて、ふとんの中で、ペチャペチャ、音をたてて食べている。何を食べているの?ポシェットに入れていたお菓子は、会長さんからのプレゼントのベビーカステラだったが、ポシェットごと隠してあるからばあちゃんの手元には無いはずだし...
 またトイレに行った。帰ってきて、応接間をのぞき「おばちゃん、ここにおってのん?」と言う。ええ加減にせい。「早く寝なさい!」と言いに行ってびっくり!枕もとでガサガサ音がする。
 枕の下は? 出てくる、出てくる。酢味噌の小パックが一袋、すももの個別パックが一つ、ハイチュウが一箱。酢味噌は冷蔵庫にあったもの、あとは食器棚だ。ようやる!食いしんぼ。

 家に着くなり、おとなしくなったのはなんでやろ?デイやステイなら、プンプン怒って帰って来るのに...あ、もしかして、時刻?もう夕方、5時を過ぎているので、待っていれば晩ご飯、という連想か?