黒田裕子さん

 まるちゃんの紹介によれば「黒田さんは兵庫のジャンヌ・ダルク」だ。
 もらった「プロフィール」には「島根県生まれ。NPO法人阪神高齢者・障害者ネットワーク理事長。平成16年5月朝日社会福祉賞受賞」とある。
 兵庫医科大学の看護師長をしておられたときの話を聞いた。大腸がんの手術を始めたころの話、人工肛門を作り、どのようにして排泄をしたかの苦労話で、こういう症例と研究を経て、今は便利になったのだと言われた。次に「宝塚市立病院をつくるから看護師長になってくれ」と言われて赴任された。
 1995年1月、阪神淡路大震災のときに病院をやめ、神戸市長田区に「ケアつき緊急避難所」を作った。
 6月には、西神第7仮設住宅内に40畳のテントを張り、24時間体制で支援を始めた。ここは、1060世帯1800人が暮らす、被災地最大級の仮設住宅群だ。「孤独死を防ぐ」ために、1軒1軒のドアをたたき、カルテに健康状態を書き込んだ。 孤独死は3人しか出していない。
 今は神戸市西区の市営地下鉄・伊川谷駅の構内に「伊川谷工房・あじさいの家」を作り、理事長をされている。喫茶と作業所があり、朝からお茶や手芸を楽しむ高齢者が集まる。
 あの細い体!まるちゃんが「3時間しか寝ない。少ししか食べない。なのにこのパワー!」と言う。世の中にはすごい人がいるなあ。
「おかしいと思ったら言わないとだめです」と言われる。「理念と信念があれば誰もこわくない」と言われる。 あ、私、どちらもないわ。それでは言えないはずだ。