春だ〜

 としか言いようがない。ご飯のあと、お風呂に入れて寝かせたつもりだった。7時に廊下に出たら、数を唱えているのが聞こえる。寝かせようと思い、部屋に行ってみた。布団に入っていない。箪笥を開け、小引きだしの中身を物色中... 風邪を引くではないか。
 布団に入れて、寝つくまで布団のちょうど頭の所を押さえておく。しばらくして「寝たかな?」と、手をゆるめると、様子を見てか見ずか、頭をそーっとあげる。また押さえる。何回かそうやって遊んでみる。ばあちゃんは「あきらめる」とか「新たに学ぶ」という感覚はない。「忘れる」という特技だけ持ち合わせているので、しつこいほど繰り返す。疲れることがない。結局、私があきらめてほっておいた。まだしばらくは目覚めていたようだ。