またまた「火の玉」

 ステイから帰る日である。「これから送ります」と電話がきた。続いて「車に『乗らない』と言うてはります」とまた電話。なるほど、横でばあちゃんがどなっている声が聞こえる。
 1時間ほどして、ばあちゃん帰宅。送ってきたのはケアマネ君と主任の女性の2人である。たまにはこんなこともある。 ばあちゃんは怒りながら入り、静かになったと思うと、さっさとベッドに入って寝ている。これもいいさ。
 お二人の話を聞く。「どう分析なさってますか?」と訊いてみる。「私はばあちゃん、もう帰りたくないのだと思う。居心地いいのよ。うちを家だと思わないもの。夕方になると『車が来る。帰ります』と言うもの。もう入れてください。(入所)私には『緊急度』は無いけど、ばあちゃんにはあるようです」と言う。
 ケアマネ君は記録をたどりながら、ステイ中の様子を教えてくれたが、夜、3回ほど起きて事務所に来るそうだ。事務所には明かりがついていて、スタッフがいるから、ドンドンたたくと入れてくれる。言いたいことを言って相手になってもらえる。うちでは「畑で疲れてころっと寝る」方針だから夜はおしっこもポータブルでやって、すぐにまた寝る。