甘える

 「しっかりばあちゃんに、しっかり嫁さん」の組み合わせは? 甘えられない。気丈に自分でできるうちはよい。ちょっとしんどくなったときに、「手伝って」と言えればよい。言えない姑と、言わさない嫁のときがしんどいかもしれない。
 うちは「しっかりばあちゃんと、でたらめ嫁」だった。ばあちゃんのように、「何にもわからへんのやから、あんじょうしてくれるのがお前のつとめや」と開き直ったり、もっと進んで「ここにおれば子です」と、親子関係を逆転し、平然としているほうがましだ。「ぼけた者の勝ち」ということになる。「ぼけ」という表現に悪意は無い。「とぼけて、ねぼけて、大真面目にぼけている」だけだ。
 ところが、この話をすると、先輩は「あんたの読みが甘いよ。しっかり嫁さんは『私はちゃんとばあちゃんに目配りして、世話もしているよ』と思っているよ。『なのに、ばあちゃんはどうしてよその人に愚痴をこぼすの? 弱音を吐くの?』と思っているよ」と言う。さぁ〜? そこが、しっかりばあちゃんの、しんどいところよ、ねぇ。
 さくら会の例会で「私の母はとてもしっかり者で、頑張りやでした。認知症になって、はじめて、人に甘えるようになりました。今では、安心して、私に頼っています。」と言われたのだ。これがヒント。