「身体拘束」について 鳥海さんの講演

 鳥海さんの講演は具体例が多く、ビデオで楽しそうなじいちゃん・ばあちゃんも見せてもらって、聞いている時はわかったつもりでいたが、なにしろ、メモは5枚ある。現場の介護職ではないので、聞いても未消化の部分が多い。
 でも、今回「拘束」の話が出てきたので、「そもそも何故、くくるのか?」からまとめてみる。
 くくられるのは、病院に入院していて、動いたら危ない場合。たとえば、点滴をしているのに、本人が抜いてしまうとき。うちのばあちゃんも、検査入院のとき、夜中に歩いてナースセンターに行ったので、くくられたらしい。夜中は眠る時間だからね。
 つぎに、他人に被害を及ぼすとき。たとえば、うちのばあちゃんの姉はベッドにくくられていた。夫が「なぜ?」と訊くと「このおばあちゃんは元気で、点滴がいりません。ところが、自由に歩き回っていると『おうおう、針、刺されて、痛いなぁ。かわいそうに』と言いながら、他人の点滴を抜いて歩きます。それでは困りますので、点滴の時間だけ、ベッドに寝てもらって、手足をくくります」夫は納得した。
 つぎに、鳥海さんの話では、老人の施設では、「ベッドに寝ていたら落ちる。落ちたらけがをする。大腿骨頸部骨折をすると、歩けなくなる。寝たきりになる。困る。だから、転落と転倒・骨折を防ぐために身体を拘束する」というのが理由になるらしい。
 もう一つ「歩くところぶ。ころぶと、けがをする。けがをしないためには、歩くのをやめる。立つ事もやめさせる」!!!!そのために拘束する。
 何か、変だと、私でも思う。
 そこで、鳥海さんたちは考える。
 「ベッドに寝れば、落ちる」落ちてもけがをしなければよい。ベッドを低くして、足がつく高さにすると、けがはしない。ベッドに「さく」をつけるから、「おりよう、さくをのりこえよう」として、落ちてけがをする。さくをしないで、ベッドを低くする。
 つぎに「歩くところぶ。ころぶと、けがをする」ころんでも、けがをしないように、骨折しないようにする用具を開発したのだ。
 名づけて「保護丸くん」大腿骨頸部骨折予防ベルト。S.M.Lの3種類あり、5000円だ。実物を持参されて、かわるがわるつけてみていた。よい点は
1.クッション性に富み、転倒時の大腿骨頸部への衝撃が軽減される。(骨折予防)
2.骨盤が安定し、歩行のバランスが良くなる。
3.腰椎ベルトのように筋肉の働きの代用をしないので、筋力低下につながらない。
4.着脱が容易で保温性がある。ヒッププロテクターより、違和感なく、つけていられる。(服の下にもつけられる)

 さて、先輩のお母さんの場合は、このうちにあてはまるのだろうか?