「ココロが壊れないための『精神分析論』加藤諦三教授の早大講義録」加藤諦三著 宝島社新書 2007年

第1回講義 すべての行動には動機がある
 「行動」と「心」は違う。「おはよう」というあいさつをとっても、コミュニケーションとしてあいさつする子と、他人に嫌われたくないという自己執着からあいさつをする子がいる。事件を起こした子について新聞が「あいさつもきちんとするよい子だった」と書くが、動機の「心」の部分が大切。また「意識されている動機」と「意識されていない動機」があり、問題を起こすのは「意識されていない動機」
第2回講義 「真面目な子」がなぜ犯罪を起こすのか
第3回講義 「おとなしい人」がなぜ人を殺すのか
第4回講義 擬似家族の心理学
第5回講義 擬似成長した「よい子な大人」たち
第6回講義 「欠乏動機と成長動機」
 まあ、表現はいろいろだが、表に見える姿と心の中は違うということ。子どもは本当は「愛」を求めているのに満たされていないということ。そのため、表面上は「おとなしく」「礼儀正しく」していることがあるということ。難しいですねぇ。「愛している」と子どもに伝えたいのに、失敗することもあるのですね。無条件に受け入れる「今のままのあなたでいいんだよ」ということは、高口光子さんが言われる「年をとったら、誰でも体が不自由になったり、ものを忘れる。それが生きにくい、なんておかしい。今のままのあなたでいいんだよ」というのに通じている。
 いささか、乱暴なまとめでした。ご自分でお読み下さい。著者にはお叱りを受けそうだ。