「ぼけの人と家族への援助をすすめる 第２１回全国研究集会」の抄録が送られてきた。以前に朝日新聞にのった原稿募集に、私も送っていたのだ。 これは「社団法人呆け老人をかかえる家族の会」と言う。国際名は「日本アルツハイマー病協会」だ。今年の全国研…

今日からばあちゃんはステイ。 句会に行った。 夜はもう、ぼーっとして仕事にならない。ばあちゃんがいないと、ほっとして、一晩目はまず休みたい。

家に帰ったばあちゃんは、とんと落ちつかない。台所に行くと、冷蔵庫の一番下の野菜室を開けている。「こらーっ！」と言うと「何もしてへんで」と言う。「開けてるやんか！開けるのがいかん！」 ついに野菜室までか！床にきのこのかけらがころがっている。野…

洗濯も終わり、ばあちゃんを連れて一緒に畑に行くと、ボランティアで施設の植木の手入れをしているおじさんたちに出会った。「ばあちゃん、こんにちわ」と言われるのに、うわの空。「ばあちゃん、こわい顔、してるなぁ」と言われた。 ばあちゃんは、私の方を…

朝の８時半に電話がかかってきた。ばあちゃんは起きたばかりだった。 電話の彼は、２７年ぶりだ。その間、年賀状のやりとりだけだった。それが最近、私の教え子の弟がなくなったことを聞いて、家にお線香をあげに行った。教え子とお母さんと三人でアルバムを…

畑で仕事をしていたら、３時になった。早く帰らなきゃ、ばあちゃんがデイから帰る。家に着いたら、ばあちゃんが怒っている。「入られへんがな！」私が「鍵を開けて入ったら、ええやんか」と言うと「鍵、持って行ってへん」と言う。ばあちゃんは、家の鍵の開…

今月に入り、ばあちゃんは１泊２日のステイを利用していたので、昨日は久しぶりのデイサービスだった。連絡帳には「久しぶりなので、なじみの方にあいさつをしていました」と書いてある。今朝、迎えに来てくださった主任に「それは、相手がばあちゃんを覚え…

今日はケアマネさんの家庭訪問だった。この前の家庭介護教室の「在宅介護支援センター」について教えてもらった。ケアマネさんは「半年たって、だいぶ仕事に慣れてきました」と言われるとおり、頼りになる。ばあちゃんの様子もよくわかっておられるし、それ…

猪のやつ、毎晩来るのよね。この前は、芋畑のぐるりに張った網を下に引きおろして、届く範囲まで、掘っていた。今日は、ついに、戸を開けている。低い戸だ。鉄製の戸を置いて、人はいちいち「よっこらしょ」と持ち上げて開けて、中に入っていたのだ。その戸…

今日は寒いのと、ケアマネさんの訪問で、ばあちゃんは畑に行かなかった。晩ご飯を食べて風呂に入り、６時に寝た。ずいぶん賢い。 ところが続かない。当たり前だ。元気が余っている。１０時に起きて来た。トイレに入っている間に、おやつ入れにパンをひとかけ…

今日は寒かった。ばあちゃんはとっくに電気敷き毛布で寝ている。ホームこたつも布団をセットしてある。が、もう、コンセントをさすとか、スイッチを入れたり切ったり、という気がない。だから、ホームこたつは暖かくないままだし、電気毛布は私がつけたり消…

だからって、蜜柑の皮をちり紙に包んで、窓の障子とガラスの間に隠してどうするのよ？よけいに叱られるやんか。笑える！まったく、何やってるんだか？ 子供の頃は、隠れて食べたら叱られるのがわからなくて、やってしまうんだって。そういえば、ばあちゃんは…

ばあちゃんは、畑に行きたがらない。下の神さんだけおがんで帰って来た。しばらくうちにいたが、昼になると、ご飯を求めてうろついていた。畑にいて、草引きに没頭すると、昼ご飯はわすれるのだが、家にいると、他に考える事がないから「ご飯、よんでもらえ…

今日は２回目。行くのに２時間近くかかるから、何かしないともったいない。電車の半分は睡眠と読書。地下道を歩く時は、階段を使い、運動とゆきかう人の観察をする。つまり、どういう表情をすると、疲れた顔に見えるか、若々しく見えるか！いつも研究をする…

「婦人公論 １１月２２日号 特集 介護の知恵を分かち合おう」 普段は雑誌の広告を新聞で見ると、中身まで読んだ気分になり、買うことはない。美容院で読むぐらいだから、月に一度あるかないかだ。たまに特集につられて買うことはある。今回はなかなかよい。 …

今朝は起きない。起こして着替えさせたのに、また布団にもぐりこむありさま。ステイに行く日なのに！ やっと起こして、ステイのお迎えを待つ。９時４０分に来てくださった。 毛染めに行こうと、１０時にバス停に行った。まず「三田行き ９時３２分の予定」が…

月曜日に公民館の介護教室に参加した。去年は４回シリーズの全回を受講したが、今年は第１回の講義だけを受ける。２回目・３回目の実技と４回目の救急法は受けない。来年は救急法だけ受けようと思っている。「救急の実技は習っても、使わないと忘れるので、…

晩ご飯を食べようとしていたら、朝、葉ぼたんをあげた人が「お礼」と言って、手作りおはぎを持ってきてくれた。それで、ばあちゃんの晩ご飯は、おはぎだ。 ばあちゃんに「これ、なあに？」と訊くと「ひきもん」と言う。結婚式の引き出物と同じ意味だ。「ひき…

家に帰ったついでに、洗濯物を取り込んだり、夏物の背広がクリーニングから帰ってきたのを干して、取り込んで洋服たんすになおしたりしていると、昼になってしまった。夫と二人で先に昼ご飯を食べた。 ばあちゃんは帰らない。もういいわ。パンと牛乳を持って…

このごろ、ばあちゃんは月・火がデイサービスで、水曜日は家にいる。二日もデイが続くと、からだが畑に行きたい気分になるからだ。起きるなり、麦藁帽子を握っていたりする。 ６時半にトイレに来たから「寒いので、８時まで寝なさい」メモを持たせた。８時に…

夜中、ばあちゃんがトイレでうなっている。出てくると、パンツをはいていない。部屋について行くと、パンツもパジャマのズボンも干してある。ばあちゃんは、このごろ、ステイから帰るとおなかをこわすなぁ。おやつの食べすぎなんじゃないの？「おこりそうに…

今日はステイからご機嫌で帰宅。送ってくれたスタッフに「えらいすんまへんでした」と言う。私に「かばん、なおしときよ」と言う。こんなことを言うのは、初めてだ。 スタッフに「さくらちゃん芋掘り」の写真を見せると「そう言えば『だれやら、ぎょうさん来…

久しぶりに大阪に行った。ＪＲに乗らずに阪急電車に乗ったら、随分時間がかかった。安いからしかたないか。まだまだＪＲは信頼できない。 行く先は歯医者さん。弟だから、腕は良いが、ぼろくそに言う。「なんで虫歯になるの？僕なんか１６才から虫歯知らずだ…

大かぼちゃのその後。「さくらちゃん芋掘りツァー」客から手紙が来た。 「かぼちゃの中から、白くて小さい虫が出てきました」 それはびっくり！ごめん、ごめん。どこから穴を開けて入ったのだろうね？

畑に猪、の話ではない。西宮は広い。うちは北部の山また山、市役所は南部にある。海にはヨットハーバー。 北部から南部へ通勤している人の話だ。盤滝トンネルを通り、かなり山の上に鷲林寺（じゅうりんじ）という所がる。「車で通ると、朝、猪が道端に寝てい…

柿の好きな犬と散歩に出る。落ちた柿の、ぐしゃっとつぶれた、やわやわのが好きだ。 この前、芋掘りのとき、うばめがしの木に犬をつないでいたら、勝手にくつろいで、のぺーっと寝ている。富有柿をやると、食べずに、穴を掘って柿を埋めて、鼻でふんふんと土…

今日は朝からハイテンション。先へ先へと体が動く。気持ちも動くのだろう。「顔、洗うよ」と言うと、手にせっけんをつけて、いきなり顔につける。今までに、顔までせっけんをつけたことはないので、私のほうがびっくりした。ハイテンションは、やりにくい。…

朝霧の山里の畑けふもまた谷間に響くたたかいの声 萱野恒洋 作 この前の「さくらちゃん芋掘り有馬温泉ツアー」を詠んだ、萱野さんの作品

今日は朝から雨だった。私が応接間で葉書を書いていると、ばあちゃんが来た。「何しますのん？何もわからしません。教えて下さい」と言う。無視して書いていたら「ものも言うてくれへん」と言って、部屋から出て行ってしまった。 昼前になると「お昼は、何か…

これは、私が知っている青年の場合だけれど、生まれつきハンディがある。施設で暮らしている。生活は依存している。施設は社会から、隔離とまでは言わないが、遠く離れている。こんな場合は、どう考えるの？ これに対する答えは、友達にたのんだ。引用する。…